少し意外?!二世帯住宅のメリットとは

「二世帯住宅」というと、プライバシーの問題や、配偶者の両親との関係性、騒音問題など、どちらかというとマイナスなイメージを持っている方が多いかもしれません。一方で、近年さまざまな理由から二世帯住宅が注目を集めています。

少し意外?!二世帯住宅のメリットとは

家づくりのノウハウ

2022/03/15

二世帯住宅とは

二世帯住宅とは、親世帯と子世帯など、2つの世帯が一つ屋根の下で暮らす住宅のことを言います。通常の一戸建て住宅に二世帯で同居する完全同居型から、アパートのように同じ建物の中に2つの家があるような完全分離型、玄関やキッチン、お風呂など一部分だけを共有した部分共有型があります。基本的には部分共有型でも1階・2階それぞれにお風呂やトイレ、キッチンを設置するケースが多く、共有スペースは玄関のみということも少なくありません。完全分離型は、世帯を階層によって分ける場合とメゾネットのように縦割りにする場合があります。

昨今のコロナ禍などによって長引く不況で、経済的に不安定になっている世帯も多く、また頻発する震災のせいで離れて暮らすことに不安を感じる人も少なくありません。少子高齢化が進み、介護問題は避けて通れないため、同居や二世帯住宅を検討する人は増加しています。

二世帯住宅のメリット

なんとなく「同居」や「二世帯住宅」に関して否定的なイメージをもっている方も多いと思います。しかし、二世帯住宅にはたくさんのメリットがあります。

経済的負担が軽減され、生活にゆとりができる

一番のメリットはなんと言っても経済的なゆとりではないでしょうか。元々の親の土地に家を建てることで双方にメリットがあります。
子世帯側は、住宅建築において土地代が不要になります。その分の予算を家本体代にあてることでグレードをあげたり、貯蓄に回したりもできます。親世帯側は単独ではローンが組みづらく、難しかった建て替えやリフォームが可能になります。建築後も月々のローンや光熱費の支払いなど、経済的な負担を分担できます。ただし、トラブルを避けるために、前もってきちんとお金の負担について相談しておくことが必要です。

家事や育児、介護で負担が減少する

二世帯住宅では、一つ屋根の下に住んでいるため、とても距離が近くなります。旅行や買い物に行く際は、親世帯・子世帯、どちらもお互いに留守番を頼むことが可能です。病気をしたときも、お互いに看病をすることもでき、家事を頼みやすくなります。子供(孫)が急に病気したときも、子世帯が仕事を休めない場合は、親世帯に預けられます。仕事で帰りが遅くなるときには、食事やお風呂の準備、子供(孫)の世話などを頼むことも可能です。子供(孫)の成長をみんなで見守ることができます。
また、将来親世帯の介護が必要になったときに、通う必要がないため移動にかかる時間や費用が抑えられます。子世帯が一緒にいることで、親世帯は安心感を得られます。高齢になってからはきつい力仕事や、新しい電子機器の操作方法などでも、子世帯の力を借りやすくなります。

犯罪の抑止力になる

いつも身近にいることで、高齢者を狙った詐欺などの被害にあう可能性を抑えることが可能です。親世帯が定年退職している場合などは、家が完全に留守になることが減ります。また、単純に家にいる大人の人数が増えるため、空き巣などの被害にもあいにくくなります。

相続税対策ができ、節税になる

二世帯住宅は相続税対策にもなります。遺産が高額になるほど相続税は高くなり、 中でも特に高い評価額になりやすいのが土地です。せっかく遺産を受け継いだのに、相続したことによって相続税が発生し、相続税が払えないために受け継いだ土地などを売るなどということも発生します。そのようなことを防ぐためにあるのが「小規模宅地の特例」です。条件が揃えば、土地の価値を最大で80%下げることができるという特例になります。
「小規模宅地の特例」が適用されるためには、『相続する前から、被相続人(遺産を相続する人)と共に生活をしていること』や『相続してから10ヶ月以上、その土地を利用していること』といった条件を満たす必要があります。これらの条件を満たす二世帯住宅を建てるためには、『二世帯住宅内で世帯同士行き来できる構造になっていること』と『区分所有登記をしないこと』が必要になります。現状では行き来できる構造でなくても生活を共にしていると認められますが、いつ特例の改正があるかは不明のため、行き来できる構造にしておいた方が無難であると言えます。また、区分所有登記にしてしまうと、独立して住んでいることになり「共に生活している」という条件が満たせなくなってしまうので注意しましょう。

二世帯住宅で起こり得るトラブルやデメリット

さまざまなメリットがある二世帯住宅ですが、もちろんデメリットもあります。きちんと把握しておきましょう。

ライフスタイルや生活リズムの違い

玄関を共有していると、子世帯の仕事の帰りが遅い場合など、先に寝ている親世帯に毎回気を遣わなければなりません。また、完全同居の場合やキッチンを共有している場合などでは、お互いに友人を招いたりするのにも気を遣うことになります。その中でも、完全同居の場合は、お風呂のタイミングや食事の時間など、生活リズムの違いを考慮する必要があります。

育児に関する意見の違い

親世代と子世代で育児に関する常識が違うことがあります。例えば、以前は「あまり抱っこばかりしていると抱き癖がつく。すぐに抱っこすることは良くない」と言われていましたが、最近では「たくさん抱っこしてあげた方が安心感や信頼感につながり、情緒が安定する」と言われていることなどです。良かれと思ってしたアドバイスが、思いがけないストレスを招くことになりかねません。また教育に関しても世代間で考え方の違いが起こりやすいです。夫妻どちらの親と同居するかによっても違いはありますが、特に夫側の両親と同居した場合は、嫁姑問題に発展しやすいので注意が必要です。

ジェネレーションギャップ

完全分離型であれば多少軽減されますが、完全同居型の場合は家電や家具などを共有することになるため、デザインの好みの問題などが出てきます。また、食事の味付けの好みや、友達・親戚などとの付き合い方、冷蔵庫やキッチン周りの使い方など細かい部分でもトラブルが起こる可能性があります。

お金に関するトラブル

最初にローンの支払いや光熱費についてきちんと話し合っていなかった結果、一方の負担が大きくなり不満が出てしまうことがあります。生活していく上で、後々必要になってくる修繕費に関しても「その都度話し合えばいいか」などと思っていると、不要な諍いを生む原因になりかねません。その時の収入の状況などで臨機応変に対応することは必要だとしても、ある程度のルールは決めておいた方が良いでしょう。
また想定外のトラブルが起こることもあります。例えば「親とはしっかり相談してお互いのことを尊重しながら二世帯住宅を建てたが、親世帯が亡くなった後に相続のことで兄弟と揉めた」などです。二世帯住宅を建てる場合には親だけではなく兄弟にも予め相談しておくことが必要だと言えます。
お金に関することはお互いに言いづらく、深刻になりやすいので、なるべく早い段階で曖昧にならないようなルールを決めておくことが重要です。

二世帯住宅は売却しづらい

実は二世帯住宅は売却しづらい傾向があります。将来親世帯が亡くなった後、賃貸にするのか、自分たちの子世帯や、兄弟を住まわせるのかなどによって、建てる時の構造や間取りも変わってきます。後々のことまでよく考えて、建築計画を立てるようにしましょう。

二世帯住宅でトラブルを回避するためのポイント

二世帯住宅でのトラブルを防ぐにはどうしたら良いでしょうか?多くの体験談から見えてくるのは、距離感の大切さです。

「完全同居型、部分共有型、完全分離型」それぞれの特徴を把握した上で選択する

冒頭でも紹介したように、二世帯住宅には「完全同居型、部分共有型、完全分離型」の三種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分たちに合った距離感の二世帯住宅を選ぶことで、トラブルを回避できる可能性が高まります。

 <完全同居型> 完全に同じ建物の中で同居するタイプ
完全同居型の特徴は、家事や育児など生活の全般を共有できて、安心感が大きいことです。きちんとルールを決めておけば、経済面でも安心です。しかし、プライベートな空間がほとんどないため、プライバシーを確保しないとストレスにつながりやすくなります。どうしても気を遣う機会や、ルールが多くなってしまいがちです。

<部分共有型>家の一部分だけを共有するタイプ
部分共有型は、同居型・分離型のいいところ取りに近いと言えます。完全同居型よりもプライバシーを保ちやすく、完全分離型よりはコストを抑えることができるためです。経済面や教育面、介護面などにおいてもメリットが多いと言えるでしょう。ただし、共有部分についてのルールをきちんと守れない場合、ストレスになってしまいます。

<完全分離型>生活空間を完全に分けてあるタイプ
完全分離型になると、プライベートな空間を確保できるためプライバシーが保てます。そのため「土地代がかからず家を建てられる」「子守を頼みたいときに、すぐ頼みやすい環境になる」などメリットを強く感じやすいのではないでしょうか。また、将来的に親世帯側を賃貸物件にするという選択肢もあります。デメリットはキッチンやお風呂など、同じ設備でも2つずつ作る必要があるため建築費がかさむことです。後々の活用法を検討しておかないと、建物を活用できず傷むだけになってしまいます。きちんと先の見通しを立てておきましょう。

プライバシーを守ることに重点を置くのか、コスト面や同居による安心感に重きを置くのかによっても選択肢は変わってきます。よく話し合って、自分たちに最適なタイプを見極めることが大切です。

防音対策をしっかりする

住宅の上下で世帯を分ける場合、1階が親世帯・2階が子世帯になるケースが多く見られます。2階で孫が走り回ったりすることで、1階ではうるさく感じられることがあります。また、お互いの生活時間が違うことも多いため、どちらかが就寝するときに相手の生活音が気になるといったこともあるでしょう。住宅を建てる段階でできる限り防音対策を施し、お互いのプライバシーを守れるようにする必要があります。

近しいけれど、少し距離を置く

すぐに協力しあえる距離にいるからこそ、普段はお互い極力干渉しないよう心がけることが大切になります。トラブルになることのほとんどは「良かれと思って」したことです。お互いの世帯のことは見えないふり、聞こえないふりで過ごしましょう。

お金に関することは少々細かいくらいルール決めを

デメリットでも解説しましたが、お金に関することはお互い後からは言い出しにくく、一度トラブルが起きてしまうと深刻化しやすい傾向があります。長く気持ちよく付き合っていくためにも、お金に関することは少々細かすぎるくらい、最初にきちんとルールを作っておいた方が安心です。

程よい距離感を保ち、快適な二世帯ライフを送りましょう

家族とはいえ、ライフスタイルの違う二世帯が一緒に暮らしていく上では、きちんとルールを決めてお互いを尊重することが大切です。どちらか一方が我慢をするのではなく、妥協点を見つけてルールを決めておくことが、お互いを尊重することにつながります。

基本的に二世帯住宅でトラブルになるのは人間関係です。どんなに仲が良くても、考え方や感じ方が全く同じということはありえません。今回ご紹介したように、距離感さえ間違わなければ二世帯住宅にはメリットがたくさんあります。家族みんなで支え合って暮らすことで、子育てから介護までお互いにさまざまな恩恵を受けられます。災害が多く、少子高齢化が進む今の時代だからこそ、二世帯住宅という選択肢もあるのではないでしょうか。

イデアホームでは二世帯が快適に暮らせる家を、完全同居型から完全分離型までご提案しています。

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