住宅購入資金贈与の非課税枠とは?

住宅購入の際に両親や祖父母から資金援助を受ける予定があり、高額な税金を支払うことにならないか心配だという方も多いのではないでしょうか。住宅資金の贈与について、贈与に関する税金や非課税の特例措置など知っておくべき情報をわかりやすく解説します。

住宅購入資金贈与の非課税枠とは?

お金のノウハウ

2022/02/18

贈与にかかる税金について

子供が家を建てる際に親や祖父母が資金援助するなど、財産を無償で渡されることを「贈与」と言います。贈与が行われるとき、額面によっては税金が発生します。この税金のことを「贈与税」と言います。贈与をする人のことを「贈与者」、受ける人のことは「受贈者」と言い、贈与税を支払うのは贈与を受けた側である受贈者です。前述の資金援助の例で言うと、親や祖父母が贈与者であり、受贈者である子供が税金を払うことになります。
贈与は一般的に親子間で行われることがほとんどですが、もし兄弟間や親戚間などでも、贈与が行われれば金額によっては贈与税が発生します。贈与税は毎年1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与に対して課せられます。贈与税の課税方式には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があります。それぞれに非課税枠が設けられているため、贈与を受けたからと言って必ずしも贈与税が発生するわけではありません。

暦年課税とは

1年間に受け取った財産の合計額から基礎控除額である110万円を差し引いた額に、一定の税率を乗じて贈与税を計算する方法です。受け取った財産額が110万円以下であれば贈与税の申告義務は生じません。つまり110万円までの贈与は非課税になるということです。贈与を受けた年の1月1日現在に20歳以上である子供(孫)が親(祖父母)から贈与を受けた場合と、贈与した人が兄弟姉妹の場合や、受贈者が20歳未満の場合とでは税率や控除額が異なります。

相続時精算課税

相続とは、財産を渡す人が亡くなった後に財産を相続人が引き継ぐことを言います。相続時精算課税は、受贈者が2,500万円まで贈与税を納めずに贈与を受け、相続時(贈与者が亡くなったときなど)に、残りの相続財産分と一括して相続税として納税する制度です。相続時精算課税では、税率は一律20%になります。

住宅取得等資金の非課税の特例について

2021年末で終了予定だった子供や孫への「住宅購入のための資金の非課税贈与制度」が、2023年末まで延長されることが決定しました。もともと期限を「令和3年(2021年)12月31日まで」と定めてありましたが、2年延長され「令和5年(2023年)12月31日」まで適用となりました。
住宅取得等資金の非課税の特例とは、父母や祖父母など直系尊属から、住宅取得等資金の贈与を受けた際に、一定の要件を満たす場合は贈与された金額のうち対象額が非課税になるという制度です。要件を満たした場合、非課税となる金額は、省エネ等住宅用家屋であれば1,000万円、それ以外の住宅用家屋では500万円です。
2021年までは住宅取得契約の締結時期によっても条件がありましたが、今回は契約の締結時期が条件から外されました。また、非課税限度額は最大1,500万円から1,000万円に改正されました。

住宅資金贈与の特例を活用するための要件

住宅資金贈与の特例を適用するためにはいくつかの要件があります。受贈者にかんするもの、住宅に関するものをそれぞれ紹介します。

受贈者に関する要件

  • 贈与者の直系卑属(子や孫)であること
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること(床面積が40㎡以上50㎡未満の場合には1,000万円以下)
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与された住宅取得等資金の全額をあてて住宅を購入し、住み始めること
    ※贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していない場合には、この特例の適用を受けることができなくなります。

贈与者の直系卑属とは、贈与者が自分の両親や祖父母であるという意味です。よって配偶者の両親や祖父母からの贈与は対象外となります。もし両家からそれぞれ贈与を受ける場合には注意が必要です。取得する住宅の名義が「夫」であるならば「夫側の親もしくは祖父母」、名義が「妻」のときには「妻側の親もしくは祖父母」からの贈与のみが非課税の対象になるためです。もしも、ご夫婦のそれぞれの両親から資金援助を受ける場合には必ず、建築する住宅をご夫婦の共有名義で登記を行うようにしましょう。

また、この特例はあくまでも住宅の新築や取得、または増改築にあてる資金に対するものになります。住宅ローンの足しにするためなどで受けた贈与に関しては適用されません。基礎控除額である110万円以上の贈与を受けた際には、住宅購入の頭金にすると贈与税を支払わずに済むようにできることを覚えておきましょう。

資金援助をしてもらうタイミングに関しても注意が必要です。特例の適用には「贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与された住宅取得等資金の全額をあてて住宅を購入し、住み始めること」が要件になっています。12月に贈与してもらった場合には、年明け後の3月15日までに引き渡しを受け居住することが可能かによって申告ができない可能性があります。家が完成間近である場合などを除き、贈与を受ける場合は年末を避け年明けの方が安心と言えるでしょう。また、受贈者の年齢に関して成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、令和4年4月1日以降の贈与から18歳以上に引き下げられます。額面にもよりますが、受贈者の年齢が18歳以上20歳未満の場合は、4月まで待った方が、贈与税が発生した際に税率が低くなる可能性があります。

住宅に関する条件

  • 日本国内にある住宅であること
  • 床面積が40㎡以上240㎡以下で、その2分の1以上を受贈者の居住の用に供されるものであること
    ※令和3(2021)年中に贈与が行われ、受贈者の所得金額が1,000万円以下の場合は「40㎡以上240㎡以下」となります。また、増改築の場合は「確認済証の写し」、「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」などの書類が必要で、増改築の費用が100万円以上であることが要件として加えられます。
  • 中古住宅の場合は上記および、以下3つのいずれかを満たすもの
    (1)マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内
    (2)一定の耐震基準をみたすことが建築士等によって証明された住宅
    (3)購入後に耐震改修工事を行い、贈与を受けた年の翌年3月15日までに建築士等によって一定の耐震基準に適合すると証明された住宅

ここで紹介している要件以外の規定や、増改築の場合に関してなど細分化された要件があります。要件について、より詳細に知りたい方は、国税局のホームページでご確認ください。

住宅取得資金贈与の特例を利用するときの注意点

住宅取得資金贈与の特例を利用する際の注意点としては以下が挙げられます。贈与の特例の適用を考えている場合は、前もって確認しましょう。

小規模住宅等の特例が使えなくなる

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人が住んでいた土地や事業をしていた土地、貸していた土地について、一定の要件を満たす人が相続したときに最大80%オフできる特例のことです。小規模住宅等の特例は住宅取得等資金の非課税の特例と併用ができません。また、平成21年分から平成26年分までの間に住宅取得等資金の非課税の特例を受けている場合、原則として住宅取得資金贈与の特例を受けることはできません。

贈与税の納税は不要でも申告は必要

「住宅取得等資金の非課税の特例」の適用を受けるには、贈与税の申告が必要になります。たとえ贈与税の支払いが不要な場合でも申告は必要になるため、忘れないように気をつけましょう。申告の期間は贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間です。管轄する税務署に贈与税の申告書を提出する必要があります。なお必要な書類は、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書と戸籍の謄本、新築や住宅取得の契約書の写しなどです。また、個人番号を記載した各種申告書、申請書、届出書等を提出する際には、個人番号カードなど一定の本人確認書類の提示又は写しの添付が必要になるため、併せて準備しておきましょう。

上手に特例を活用しよう!

マイホームは決して安くない買い物です。もし資金援助を頼めるのであれば、お願いした方が無理のない支払い計画をたてることができるでしょう。その際に、金額に応じて贈与税がかかることや、贈与税の非課税の特例などをきちんと把握していれば、無駄なコストを省くことができます。贈与はせっかくの両親や祖父母からの厚意ですから、無駄なく活用したいところです。
今回ご紹介した住宅取得等資金の非課税の特例を活用して、省エネ等住宅を新築した場合、贈与金額が1,000万円まで非課税になります。「省エネ等住宅」とは、省エネ等基準に適合する住宅用家屋のことです。どのような住宅用家屋かは以下の通りです。

  • 断熱等性能等級4もしくは一次エネルギー消費量等級4以上であること
  • 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上もしくは免震建築物であること、
  • 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること

断熱性能が高い省エネ住宅の場合、最初に建設コストがかかっても、後々のランニングコストを抑えることが可能です。また生活の快適性も向上します。地震や災害の多い昨今では耐震性は高いにこしたことはありません。今後、同居も有り得るのであれば、高齢者に配慮したバリアフリー住宅だと安心です。贈与を受けられた場合は、省エネ等住宅も検討してみましょう。

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