風水を取り入れた家づくり

家を新築する際に風水を意識される方は多く、ふだんは風水を気にしない人でも「悪い」とされていることはできるだけ避けたいと思うのではないでしょうか。この記事では家づくりに取り入れやすい風水をご紹介します。

風水を取り入れた家づくり

家づくりのノウハウ

2022/01/17

風水とは

『風水』とは、元々中国で発祥した『気』の流れを物の位置によって変えたりとどめたりするという思想のことです。
風水という言葉を聞くと、運勢や運気といったスピリチュアルなことを思い浮かべがちですが、古代日本の家づくりには当時の科学的根拠に基づいた風水が多く採用されていました。また風水と似たもので『家相』という言葉を聞いたことがあると思います。家相は風水を元に日本で独自に発達したものです。狭い国土の限られた土地の中で、生活の「不便」を解消することを重視しています。住宅に特化した風水と捉えても良いでしょう。
風水は昔の人の知恵と経験を生かした統計学のようなものです。これから家をつくる上で、間取りをどうしようか悩んだ際に「風水ではこっちに配置した方が良いみたいだな」程度に参考にしてみてください。

間取りに取り入れたい風水

抑えておきたい3つの基本

風水の基本はまず「大凶を避けること」です。そのために欠かせない3つのポイントをご紹介します。

鬼門・裏鬼門・宅心

「鬼門」は北東、「裏鬼門」は南西、「宅心」は家の中央のことを指します。風水ではこの3つのことをまとめて「三所」と言います。家相においては「三所に三備を設けず」と言う言葉があり、三備とは「玄関、キッチン、トイレ」のことです。つまり「鬼門・裏鬼門・宅心には、玄関・キッチン・トイレを設けてはいけない」ということになります。
鬼門は、中国古来の考え方や、日本の陰陽道では「鬼が通る不吉な道」とされています。鬼門である「北東」は昔からあまり日当たりが良くない上に、湿気が溜まりやすいことから、水回りを配置するにはあまり好ましくないとされてきました。

正中線・四隅線

「正中線」とは南と北、東と西を結ぶ縦横の線、「四隅線」とは北東と南西、北西と南東を結ぶ斜めの線のことを言います。風水において、この2つのラインにはとても強力なエネルギーが流れているため、不浄のものがあると凶相となるとされています。不浄のものとは、便器・シンク・コンロ・排水口・ゴミ箱・出入りできる開口部のことを指します。特に「鬼門線」と呼ばれる北東と南西を結ぶ線上は、水回りや火気を避ける傾向が強いです。

欠け・張り

家の外壁ラインから少しへこんだ部分を「欠け」、出っ張った部分を「張り」と言います。詳しくご説明すると、1辺の3分の2以内のへこみを「欠け」、3分の1までの出っ張りが「張り」と呼びます。凹凸の多い形の家は風水的には良くないとされており、できるだけ正方形や長方形に近い方が良いと言われています。
風水的に、どこであろうと欠けは良くない間取りですが、張りは方角によっては良いとされています。特に南東・南・北西の欠けは大凶で人間関係や仕事運、金運が低下すると言われています。一方で北・東・南東・北西の張りは吉相とされており、子孫繁栄や金運の向上などの効果があると言われています。

場所別の吉凶について

風水には「気」という考え方があり、「気」は2種類に分けられます。活動のエネルギーとなる明かり・火・熱などの要素が含まれる「陽の気」と、静寂のエネルギーとなる水・冷たさ・北などの要素が含まれる「陰の気」です。場所別にどの方位だと吉方位になるのかをご紹介します。

玄関

風水における「気」は、玄関から入ってきて家中を巡ると言われています。
玄関に悪い気が溜まってしまうと、家全体の運気が下がってしまいます。玄関はできるだけ優先的に吉方位に配置すると良いでしょう。西に玄関を配置すると体裁や見栄にこだわってしまうため、貯蓄がしにくくなるとも言われています。
玄関の吉方位は「東・東南・南」です。

キッチン

キッチンは、家族のエネルギーを生み出す場所と言われています。
「気」の観点から見ると、陽の気である火と陰の気である水を同時に使う場所のため、陰の気と陽の気のバランスが不安定です。陰の気に傾かせないようにするため、キッチンを鬼門に配置することは避けましょう。キッチンを西や鬼門である南西に配置すると、西日の影響で夏場に食べ物が腐りやすくなるため、良くない方角とされています。
キッチンの吉方位は「東・東南・北西」です。

お風呂・トイレ

水は陰の気の性質を持つため、トイレや浴室などの水回りは陰の気が溜まりやすいとされています。
水回りの設備は家のどこに配置しても吉方位にはなりません。陰の気が溜まりやすいからこそ、最悪の運勢を回避するために水回りを鬼門にすることは避けたいところです。水回りは湿気が溜まりやすい場所のため、風通しの良さを重視しましょう。
オススメの方角は「北・東・西・東南」です。

リビング

リビングや居間は、家族全体の運勢に影響するとされています。
リビングは家族が一番長く過ごす場所です。陽の気を取り込むことでリビングに明るさと居心地の良さが生まれます。陽の気は明かりのある場所に集まるため、リビングは日当たりを意識すると吉になります。リビングに溜まった陽の気が各部屋全体に行き届くため、「各部屋に行くためにリビングを通る」間取りはオススメ。正中線と四隅線のライン上には、ストーブやコタツなどの暖房器具は設置しない方が良いとされています。
リビングの吉方位は「東南・南・東」です。

寝室

寝室は鬼門を含めどの方位に配置しても吉相とされています。
ただし鬼門の方位に張りや欠けといった間取りの凸凹がある場合、凶相に転じることがあるため注意が必要です。北の欠けは子孫衰退の効果のため避けた方が良いと言われています。
寝室の吉方位は「北西」です。

子供部屋

子供部屋は配置する方位によって子供の性格に影響が出ると言われています。
北東に子供部屋を配置すると自己中心的な性格になりやすい。南に配置すると勉強がおろそかになる。南西に配置すると飽きっぽい子供になる。北西に設置すると人に敬遠される子供になるなど、悪い影響があるとされている方位は避けるように少し意識したいところです。
子供部屋の吉方位は「東・西」です。

間取り以外で取り入れたい風水

間取りの吉方位を紹介してきましたが、家を建てる以上どこかは必ず鬼門になるため、すべての部屋を吉方位にすることは不可能です。方位と間取りが望むように行かなかった場合に、取り入れると良い風水をご紹介します。

清潔で整頓された状態にする

家の中のどの部分であれ、清潔で整頓された状態が風水的にベストです。
鬼門は鬼の通り道として恐れられていますが、実は神様が通る神聖な場所でもあると言われています。鬼門のエリアを整えて、神様たちに気持ちよく通ってもらえれば問題ないそうです。そもそも鬼門である北東は日当たりが悪く湿気がたまりやすいため、より清潔にすることで家の劣化を防ぐこともできます。掃除が行き届くことは生活する上で快適であり、風水的にも運気を上げることにつながります。

植物を取り入れる

観葉植物やお花などの緑は基本的にお家に良い気を運んでくれる効果が高いとされています。
生きている植物は高い生命エネルギーを持ち、見ているだけで心を豊かにしてくれます。風水上ではドライフラワーを飾ることや、枯れたままの植物をそのままにしておくことは、マイナス効果を招くこともあるため避けた方が良いでしょう。植物のためにもお手入れを欠かさないようにすることが大切です。室内にイキイキとした緑があることは気持ちがいいですし、植物を育てることで子供の情操教育にもつながります。

換気で空気を入れ換える

風水において、室内の空気がよどんでしまうということは、気がよどむということです。その状態では良い気が部屋の中を回らずに、悪い気が停滞することになります。こまめに換気をすることで、部屋と外の空気を入れ替えることが重要です。良い気を逃さないために夜間はしっかり戸締まりをすることも大切です。昨今のコロナ禍においては換気がとても重要になるため、健康の面でも理にかなっていると言えるでしょう。

窓の配置を工夫する

窓は外とのつながりを持ち、自然のエネルギーや家の中を明るくしてくれる太陽光を取り入れる重要な要素です。明るい場所はポジティブなエネルギーが循環するため、様々な運気を上昇させてくれます。また方位によっては、小さい窓の方が「凶」の浸入を妨げるとも言われています。光や熱を取り込んだり、湿気などの流入を防いだり、どの方位にどのサイズの窓をつけるか、風水も取り入れながら決めるのも良いのではないでしょうか。

風水にこだわりすぎず、運気の良い家にするには

「運気を上げる」と言われている家や間取りに関する代表的な風水をご紹介しましたが、これらは現代において科学的な根拠はありません。家相が広く庶民に伝わったのは江戸時代とされています。電気や水道設備などがなかったその頃と現代とでは環境も家の様式も全く異なります。
江戸時代ならば、トイレやお風呂が鬼門である北東側にあった場合、日当たりが悪く、北風が吹く冬は寒さが原因で「脳卒中や心筋梗塞」で倒れる危険性が増したことでしょう。いわゆるヒートショックです。しかし現代の高気密高断熱の家であれば、室内の気温差を小さくできるため、このような心配も格段に減らすことができます。
水洗ではなかったトイレが南側にあれば、暖まりやすく菌も繁殖しやすかったことでしょう。西日で食べ物が腐りやすいというのも、冷蔵庫がなかった時代のため、現代には一概に当てはまりません。

風水に科学的根拠はないものの、理にかなっていることは多々あります。風水で好まれる欠けや張りのない正方形や長方形に近い家の形は、家の耐震性を上げることにもつながり、壁面や屋根の面積が減らせるため建設時のコストダウンにもなります。キッチンなどの水回りを風通しの良いところにすることは、衛生面や建物の品質維持からも好ましいと言えます。「各部屋に行くためにリビングを通る」間取りは、家族のコミュニケーションを生む機会を増やします。家の中を清潔に保つことは風水を抜きにしても大切です。健康で豊かな暮らしをする上でも植物を取り入れたり、まめに換気をすることは欠かせません。

風水や家相だけに限らず、昔からの風習や言い伝えなど、マイホームの設計段階ではいろいろと気になることが出てきます。大事なマイホームですから、できるだけ「良くない」とされることは避けたいですよね。
ですが鬼門など方角を意識するあまり、不自然で暮らしにくい間取りになってしまっては本末転倒です。あくまでも風水は暮らしやすい家にするために取り入れたい一つの要素にすぎません。それらをうまく取り入れ「知らずに設計してしまい、あとで後悔しないようチェックしておく」という程度で参考にしてみましょう。
暮らしやすい家では、家族が健康で活気にあふれます。日々の生活も良い方向に進み、結果として「この家に住んでから、なんだか運気が上がった気がする」と思えるかもしれません。家族構成やライフスタイルのことを考えながら、参考程度に風水を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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