駐車場は建ぺい率に含まれる?簡単解説と建ぺい率の緩和について

住宅を新築する際に駐車場をどうするか、悩む方も少なくありません。せっかくなら雨風から車を守ってくれる「カーポート」や防犯性が高い「ガレージ」を検討したいですよね。ただ家づくりで避けて通れないのが「建ぺい率」の問題です。今回は駐車場は建ぺい率に含まれるのか、駐車場の種類とは、建ぺい率の緩和について分かりやすく解説していきます。

駐車場は建ぺい率に含まれる?簡単解説と建ぺい率の緩和について

家づくりのノウハウ

2022/12/23

駐車場と建ぺい率について

マイホームを建てるとき、「建ぺい率」という言葉を目にしたことはないでしょうか。ふだんの生活ではあまりなじみのない言葉ですが、マイホームに駐車場をつくるか否かを考えたときに、とても重要な言葉です。今回は、駐車場は建ぺい率に含まれるのか?駐車場の種類とは?駐車場をつくる際の緩和条件とは?についてわかりやすく解説します。

駐車場とは

車などを駐車するスペースを一般的に「駐車場」と呼びますが、一概に駐車場と言ってもその種類やタイプは様々です。駐車場は大きく分けて、屋根のない「オープンタイプ」、屋根だけをつける「カーポートタイプ」、建物ですっぽり覆う「ガレージタイプ」の3種類に分けることができます。屋根があると、乗降時に雨に濡れないだけでなく、車を雨や霜や紫外線から守ることができます。後回しにしがちですが、駐車場づくりも家づくりと一緒に計画するようにしましょう。

オープンタイプ
カーポートタイプ
ガレージタイプ

「建ぺい率」とは

最初に建ぺい率とはを簡単に説明します。建ぺい率とは「敷地面積に対する建築面積の割合」を定めた数値のことで、わかりやすくいうと「敷地の何%を建物に使えるか」という数値になります。建築面積とは「建物の壁や柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(真上から見た面積)」のことを指します。建ぺい率が高い地域ほど大きな家を建てられることになります。

水平投影面積とは、土地や建物を真上から見たときの面積のことです。土地や建物に凸凹や斜面の部分があっても、その土地や建物が水平だとして測った面積のことをいいます。もちろん地下から見上げることはできませんから、一般的に「真上(の上空)から見た面積」と表現されることも多いでしょう。

どうして建ぺい率が定められているかというと、全員が建ぺい率を無視した家づくりをすると、敷地に対して建物が占める割合が広くなっていくため、密集した街並みになってしまう可能性があるからです。適正な街並みを計画するのが、建ぺい率だと考えると良いでしょう。建ぺい率を守らない場合は、建築確認申請が通らず、家を建築することはできません。

建ぺい率の計算式は次の通りです。

建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100
例えば建ぺい率80%の土地の場合、100㎡の敷地に建てられるのは建築面積80㎡までの住宅

▼建ぺい率について詳しくはこちらの記事でも解説しています。

駐車場は建ぺい率に含まれるのか?

建ぺい率とは、「敷地面積に対する建築面積の割合」ということが分かりました。駐車場が建ぺい率に含まれるのであれば、家の広さに関わってきますが、結論から言うと、駐車場は「建ぺい率に含まれません」。駐車場は建物ではないからです。ただし、この駐車場というのは、屋根と柱がないこと(オープンタイプ)を指します。駐車場に屋根と柱があるカーポートやガレージを検討している場合、カーポート、ガレージは建物に含まれるため、建ぺい率に含まれます。駐車場の種類によって異なりますので、注意が必要です。

オープンタイプ

  • 建ぺい率に含まれない
  • 屋根がない
  • 車の出入りがしやすい
  • 防犯性が低く、天候の影響を受けやすい

カーポート

  • 建ぺい率に含まれる(条件によっては一部緩和される場合がある)
  • 屋根と柱のみの構造だが、建築物になる
  • 屋根があるため、車に直射日光が当たるのを防げる
  • 天候の影響をあまり受けない
  • 防犯性は低い
  • 車を出し入れをする際に柱が邪魔になることもある

ガレージ

  • 建ぺい率に含まれる(条件によっては一部緩和される場合がある)
  • 屋根と壁で三方が囲まれたもの、シャッターやドア・壁で四方を囲んでいる建築物
  • シャッターを閉めて鍵をかけた場合、防犯性は高い
  • 天候の影響を受けず、車の乗り降りが可能
  • ビルドインガレージの場合、居住面積が削られる
  • 建築費は駐車場やカーポートと比較すると高くなる

駐車場(カーポートとガレージ)の建ぺい率と建ぺい率の緩和について

建築基準法では、屋根と柱を有しているものを「建築物」の扱いとするため、駐車場の中でもカーポートとガレージは建ぺい率に含まれることが分かりました。ただし、カーポート、ガレージも条件によっては緩和対象になり、建ぺい率には算入されない可能性があります。まずは緩和条件「開放性を有する建築物の条件」について説明します。
緩和条件は次の通りです。

緩和条件(開放性を有する建築物の条件)

  • 外壁のない部分が連続して4m以上あること
  • 柱の間隔が2m以上であること
  • 天井の高さが2.1m以上であること 
  • 地階を除く階数が1であること

簡単に言うと「1階で柱間隔が2m以上のそれほど低くないカーポート」は緩和の対象になります。カーポートは4つの条件を満たすため建ぺい率の緩和措置が受けられますが、一般的な外壁に囲まれているガレージの場合は、「①外壁を有しない部分が連続して4m以上であること」の条件を満たさないため、建ぺい率の緩和は対象外となります。ガレージを緩和の対象とするためには、一部の外壁を設けないなどプランの変更が必要です。

カーポートとガレージの建ぺい率

カーポート・ガレージは建ぺい率に含まれますが、「開放性を有する建築物」の条件を満たせば、建築物の端から水平距離1mの部分を建ぺい率に含めなくても良いことになっています。

例:300平方の自己所有敷地に対し建ぺい率が60%の場合
建てられる家の面積は最大で300㎡×60%=180㎡
150㎡を家に使った場合、カーポートのために使える面積は30㎡

間口6m、奥行き6mのカーポートを例にすると、通常6×6=36㎡となる。しかし、「開放性を有する建築物」の条件が適応される場合は、一部を面積から除外することができる。

(6m-1m-1m)×(6m-1m-1m)=16㎡を除外
算出される面積:36㎡-16㎡=20㎡になる

※「開放性を有する建築物」の条件を満たさない場合は、36㎡となり建ぺい率がオーバーします。

建ぺい率が少し変わるだけで、マイホームの広さや見た目は大きく変わります。駐車場は屋根や柱の有無で扱い方が変わり、それによって建ぺい率に影響を与えるため、メリット・デメリットを含め仕様や構造は入念に考えましょう。

▼こちらの記事でも建ぺい率について解説しています。

今回は駐車場は建ぺい率に含まれるのかを解説しました。

今回は駐車場は建ぺい率に含まれるのか?駐車場の種類とは?建ぺい率の緩和条件とは?について解説しました。予算などの問題で車庫は後から考えようというケースがありますが、今回説明した通りに、建ぺい率は駐車場(屋根や柱を含む場合)に影響してくるため、駐車場がガレージであれ、カーポートであれ、建物と同時に検討する必要があります。敷地面積や建築面積をよく計算し、家の設計を優先した上で駐車場の部分を考慮することをおすすめします。敷地面積を最大限に利用して、理想のマイホームを建ててください。

埼玉・東京で土地をお探しなら、是非イデアホームにご相談ください。イデアホームでも様々な土地をご用意しております。理想の住まいを建てるにはどのくらいの敷地面積、建ぺい率・容積率が必要か、駐車場の建ぺい率についてお悩みでしたら是非イデアホームへご相談ください!

スタイル付き無料資料請求は
こちらから

イデアホームは地震に強いだけでなく、デザインにも自信を持っています。イデアホームの耐震性に興味のある方はもちろんのこと、デザインやスタイルについて気になる方も、まずは無料資料請求をどうぞ

詳しく見る