耐震構造・制震構造・免震構造とは?

近年頻発するようになった大型地震。日本でも最近また広範囲で強い地震がおきており、心配な人も多いのではないでしょうか。“地震に強いすまい”を意識すると、目にするのが「耐震」「制震」「免震」の3つの構造。今回は、それぞれの特徴や違いについてご紹介します。

耐震構造・制震構造・免震構造とは?

耐震のノウハウ

2021/12/17

「耐震構造・制震構造・免震構造」について知ろう

地震に強い家について情報収集すると、必ず目にする「耐震・制震・免震」の3つの構造。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか。特徴をわかりやすく解説します。

耐震構造

耐震構造は、建物自体を堅固に建築することにより強度を高め、地震の揺れに耐える建設構造です。特徴としては、主に「揺れに耐える」ことになります。
一定のレベルならば、比較的簡単に施すことのできる構造なため、一般的に最も多く取り入れられており、費用も制震や免震からすると安価です。耐震工法の採用は建築基準法で義務付けられており、1981年の同法改正による新耐震基準に準拠した建物であれば、耐震構造で建設されていると考えて良いでしょう。

耐震構造は、建物自体が強固なため、台風による強風程度ではほとんど揺れを感じません。ですが、建物全体ががっちりと強く造られているため、揺れに対する柔軟性は期待できません。建物が硬いと揺れが小さくなる反面、家屋の損傷は大きくなる可能性があります。一見無傷たったとしても、地震後のメンテナンスはきちんと行う必要があります。

ある程度建物が頑丈でも、繰り返しの揺れや何度も地震が起きた際には、損傷が拡大し最終的には倒壊する可能性もあります。十分に検証された耐震構造なら、激しい地震でも建物を倒壊から守ることができますが、建築基準法で定められた最低限度の耐震性しかない建物の場合大地震では不安が残ります。建築基準法以上の耐震性があった方が安心だと言えるでしょう。

制震構造

制震構造は、建物の揺れを吸収する装置を設置し、建物の揺れを軽減する構造になります。一番の特徴は「揺れの力を吸収する」ことです。
制震装置は揺れの力を、ゴムや金属の変形、熱に変えることで小さくする装置です。揺れの力を低減するため、繰り返しの揺れに強く、台風や強風の揺れにも強くなります。また地震による力を吸収するため、接合部や構造部材、基礎などに掛かる力も少なくなり、建物の損傷を抑えることが可能です。

制震構造の効果を期待するには、一定程度の耐震構造が必要になります。耐震構造にプラスして制震構造とすると、地震による揺れも小さく建物の損傷も少なく済みます。耐震構造よりもコストは高価(50〜100万円程度)ですが、免震構造よりは安価です。

免震構造

建物と地盤の間に積層ゴムなどの装置を介入することにより、建物自体の揺れを軽減し壊れにくくするのが免震構造です。大がかりな機構を必要とするため、現状では高層ビルやタワーマンションなどにはよく使われますが、木造住宅にはほとんど使用されることはありません。
免震構造の特徴は「揺れを建物に伝えない」ことになります。免震装置が建物ごと揺れるため、建物の周りをある程度空き地にしておく必要があります。

免震構造は施工できる業者が限られており、費用も高価(300〜600万円)です。定期的なメンテナンスも必要なため、ランニングコストもかかり費用負担は過大になります。

何故「耐震・制震・免震」が必要なのか

島国である日本は元々地震が多く、近年では大型の地震も頻発しています。
地震で人が亡くなる理由として多いのは、建物の倒壊に巻き込まれることです。その中でも阪神・淡路大震災のデータでは、亡くなった方の死亡原因の8割が建物の倒壊によるものでした。

耐震性が低いと建物倒壊のリスクが高まります。耐震性がしっかりしていれば、地震による建物倒壊の危険性が減ります。地震後の修復も最低限で済み、時間もコストも抑えられる可能性が高くなります。命を守り、安心安全な生活をするために耐震性の高さは不可欠であると言えます。
耐震性を表す基準として耐震等級があります。耐震等級だけを判断基準にすることはできませんが、目安にすることはできるでしょう。

耐震等級とは

地震に対する強さを表す数値で、耐震等級には3段階あり、数字が高いほど耐震性が高いことになります。法律上では、耐震等級1を満たすことが家を建てる条件になります。
耐震等級は一種の目安にはなりますが、計算上の下限をクリアしているという指針に過ぎません。同じ耐震等級の住宅でも、構造計算の有無などによって実際の耐震性は大きく異なることを覚えておきましょう。

▼耐震等級について、詳しくはコチラ

家を建てる時は「耐震・制震・免震」どれがいいの?

耐震構造・制震構造・免震構造、どの構造も建物の倒壊を防ぐことに関しては有効です。
十分に検討した耐震構造であれば建物の倒壊は防げますが、繰り返しの地震による損傷はどうしても生じてしまうため、制震や免震を取り入れるとさらに良いと言えるでしょう。

耐震性に関して、基準となるのは耐震構造です。耐震性の低い住宅に制震装置のみを付加しても、安全性は確保されません。あくまでも建物自体の耐震性の高さが必要であることを覚えておきましょう。

耐震性が低いと震度5弱ほどの地震で家屋の壁などにひび割れや亀裂が出始め、震度7になるとほぼ倒壊します。耐震性が十分高ければ震度5強までは建物にほぼ影響は無く、震度7でも倒壊の可能性は稀になります。このように建物に対する影響は、耐震性の違いによって大きな差があります。

制震構造や免震構造は対応できる建設会社も限られ、コストもかかるためどこまでの性能にするかは検討が必要です。基本の耐震構造がしっかりしていれば、家の倒壊を防ぎ、家族の身を守ることができます。地盤の揺れやすさによって、建物の耐震性をどこまで上げるのかをしっかり検討しましょう。標準仕様で耐震性が高い家づくりをする建設会社を選ぶと安心です。

正しく地震に備えよう

以前に増して強い地震が増えたことで、地震に対してしっかり備えたいと考えている人も多いのではないでしょうか。避難グッズを揃えることも大切ですが、避難をせずに済む家づくりをすることも大切です。いつ起こるかわからない災害だからこそ、何もないときにしっかりと備えておきましょう。

「制震・免震」を知ることで耐震だけでは不安だと思った人もいるかもしれません。耐震+制震、耐震+免震などのように構造を組み合わせることも可能です。それぞれの良さをうまく組み合わせることで、さらに地震に強い安心できる家になります。まずは建物の倒壊を防ぐために、きちんとした耐震性能を確保した耐震構造の住宅を建てることが重要です。その上で制震・免震の付加を検討してみることをオススメします。
迷った際は、予算や揺れへの感じ方、許容できる家の損傷などによって選択肢を絞ると、自分に合った地震に強い家を建てることができるのではないでしょうか。

耐震性能についても建設会社によって差があります。イデアホームの家は標準仕様でも、一般的な耐震等級3以上の耐震性を誇ります。これは阪神淡路大震災の1.5倍の地震にも耐えられる耐震性になります。
さらにイデアホームでは、日本で唯一の耐震研究所で、日々地震に強い家について研究を重ねています。
また、イデアホーム独自の100%地震保証も行っており、万が一地震で家が倒壊しても建設費の100%まで保証することが可能です。

耐震性について疑問や不安があれば、ぜひイデアホームのモデルハウスや耐震研究所などにお越しいただきご相談ください。

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