容積率オーバーがもたらす重大な問題とは?

家づくりの重要なポイント、容積率。容積率を守らないとせっかく建てたマイホームが取り壊しになる危険性もあります。今回は容積率の意味や容積率をオーバーするとどうなるのかを説明します。

容積率オーバーがもたらす重大な問題とは?

家づくりのノウハウ

2023/10/10

容積率はオーバーしてもよい?

容積率という言葉は、聞きなれない方も多いかもしれません。しかし、住宅の設計や建築において容積率の指標は非常に大切で、容積率をオーバーしてはいけません。ではどうして容積率はオーバーしてはいけないのかご存知ですか? 容積率の意味や、それを超えることの意味、そして容積率を守りながら広いマイホームを作るコツについて解説します。ぜひマイホームづくりの参考にしてください。

容積率とは

まず、容積率とは何か、どのように計算されるのか、容積率がオーバーしているとはどういうことなのかを説明します。容積率とは、敷地面積に占める延床面積の割合のことです。延床面積は、建物のすべての階の床面積の合計を表しています。

容積率の計算式は「容積率(%)=(延床面積÷敷地面積)×100」です。

容積率がオーバーしているとは?

容積率がオーバーしているとは、建物の容積率が、都市計画法や建築基準法で定められた地域の最大許容値を超えてしまっている状態です。例えば、容積率が200%と定められた地域において、100平方メートルの土地に200平方メートル以上の延床面積を持つ建物は容積率オーバーとなります。

▼容積率についてこちらの記事もご覧ください。

容積率をオーバーしてはいけない理由とは?

容積率をオーバーしてはいけない理由について説明します。容積率の制限は、都市部では高層建築の増加や住環境の悪化を防ぐため、また地域の特性や目的に応じて適切な建築環境を保持するために設けられています。

容積率を守らなくてはいけない理由

容積率は建物だけでなく、建てる周りの環境、生活する周辺地域が住みやすくなるように考えられています。

  • 建物ごとに一定の間隔を保つことで災害時の影響範囲拡大を防ぐため
  • 建物ごとに一定のゆとりを確保することで風通しを確保するため
  • 近隣住民への日当たり(日照権)を守るため
  • 用途区域ごとに周辺地域の景観を乱さないため
  • 地域の人口を制限するため

容積率は、防火対策や風通し、日当たりの確保、景観保護といった要因だけでなく、人口密度を適切に保つことで、都市全体の快適さを維持する役割も果たします。容積率の制限がないと、好きなだけ大きな建物を建てられ、多くの人が集まることになるでしょう。一部の地域での人口増加は、電力や下水の供給を圧迫し、交通の混雑を引き起こすリスクがあります。このような理由から、都市の快適性を維持するためにも、容積率を守ることは重要です。

容積率をオーバーするとどうなるのか

容積率は、防火対策、風通し、日当たり、景観保護などの要因に加え、適切な人口密度を保つためにも重要です。容積率は建築基準法で定められており、オーバーすることは許されていません。では、容積率をオーバーすると具体的にどうなるのかを見てみましょう。

建築許可がおりない

容積率を超過すると、建築許可が得られません。オーバーした状態で建築を進めると、検査済証が交付されず、違法建築となります。この場合、解体や改修が必要になり、余分なコストや時間がかかることとなります。

金融機関での融資は受けられない(住宅ローンが借りられない)

容積率オーバーの建物は違法とみなされ、金融機関からの融資や住宅ローンが受けらない可能性が高いです。その理由は、違法建築には市場価値が低く、担保価値が認められないためです。

完成後でも使用禁止や改善命令を受ける可能性がある

違法建築として容積率を超過した場合、罰則の規定は明確ではなく、地域によって対応が異なります。特に悪質なケースや地域住民からのクレームがあると、厳しい監査の対象となることがあります。完成後であっても、使用禁止や改善命令を受けるリスクがあり、最悪、強制的な取り壊しの処置を受ける可能性があります。

資産としての価値を失う

容積率オーバーの違法建築は、昭和から平成にかけて建てられた古い建物によるもの、法改定によるもの、個人の増築によるものといったケースがあります。行政から指導入るまで住むことは可能かもしれませんが、売りに出した場合、法的に問題があると発覚したがゆえにまったく価値のつかないものになってしまったということは珍しくありません。これらは規制に関する事前の確認や、不動産会社や工務店・ハウスメーカーといったプロへの相談で回避できます。必ずプロに相談しましょう。

容積率を守りながら広くするコツは?

容積率には、土地や建物の条件によって緩和措置や例外があります。検討している土地が緩和条件を受けられるかどうかを個人で調べるのは難しいため、信頼できる建築のプロに相談することをおすすめします。容積率の緩和措置を利用すると、容積率を守りながら広く感じられる工夫が可能です。今回はそんな広く感じられる工夫に関するポイントをご紹介します。

地下室を作る

延床面積1/3以下の地下室は延床面積には入りません。そのため、地下室を設ければ、容積率の基準を守りながらより広い面積を確保することが可能です。住宅に地下室を設ける場合、地下室の面積を全床面積の1/3以内に収めると建築面積や延床面積の計算に含めなくてよいとされています。

ロフトを作る

高さが1.4m以下、面積が床面積の1/2以下のロフトは延床面積には入りません。面積や構造の制限がありますが、一定の条件を満たしているロフトも建築面積や延床面積の計算から除外できます。

ベランダやバルコニーを作る

幅2m以下のベランダやバルコニーは延床面積に入りません。幅2m未満のベランダやバルコニーは決して広くはないものの、洗濯物を干すだけであれば十分だと言えます。

吹き抜けを作る

吹き抜けで抜けている部分は2階の床面積として入りません。建物に吹き抜けを作ると床面積を減らせるため、容積率の基準を満たすために役立ちます。

容積率をオーバーせずに快適な家を作るためには

容積率は、住環境を守るための重要な基準です。敷地いっぱいの建築は、日照や風通しの問題、騒音、延焼のリスクなどのデメリットが考えられます。このような問題を防ぐためにも、容積率が定められています。土地購入や建築の際は、これらの基準をきちんと確認することが必要です。将来的に大規模リフォームを希望する方は、増改築ができない可能性もあります。容積率について不明な点があれば、プロに相談しましょう。

制限された建ぺい率や容積率の中でも、設計の工夫で開放的な空間を持つ家を実現することは可能です。イデアホームは、このような家づくりの提案や土地の選び方に関する相談を承っています。市町村ごとに異なる建ぺい率や容積率の基準を把握し、理想の家づくりを進めていきましょう。

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