高気密高断熱の家にデメリットはあるの?徹底解説

高気密高断熱住宅は、エネルギー効率が高く省エネで快適な住環境を提供しますが、性能が不十分だと空気が蒸れたり、室内の温度差が発生するなど様々なデメリットもあります。今回は、高気密高断熱住宅のデメリットと対策方法について解説します。

高気密高断熱の家にデメリットはあるの?徹底解説

家づくりのノウハウ

2023/03/24

高気密高断熱の家にデメリットについて解説します

住みやすいマイホームを建てるためには、気密性や断熱性に注目することが大切です。高気密高断熱住宅は、外気温に左右されずに快適な室内環境を維持できるため、人気があります。しかし、高気密高断熱住宅を建てる際には、注意すべき点やデメリットがあり、これらを事前に知っておくことが重要です。今回は、高気密高断熱住宅のデメリットについて解説します。

高気密高断熱住宅とは?

まず、高気密・高断熱とは具体的にどのようなことを指すのかを説明します。高気密高断熱住宅は、この構造により、エネルギー効率が高く、光熱費の節約にもつながるため、現在注目されている住宅の性能です。

高気密住宅

高気密住宅とは、窓枠や床、天井や壁などと外部との隙間が少なく、気密性に優れている家のことです。高気密住宅でない木造建築の場合、木の形などから目では確認できないほどの小さな隙間ができてしまうことがあります。 この隙間から外の暑い空気や冷たい空気が入り込んでしまい、部屋の温度は季節によって変わってしまいます。 気密性能が高いと、外部の気温変化に左右されずに室内の温度を一定に保ちます。

高断熱住宅

高断熱住宅とは、断熱性の高い窓を使用したり外壁と内壁の間に断熱材を用いたりして、家そのものの断熱性を高めた住宅を指しています。 断熱は暖かい空気や冷たい空気が伝わりにくい状態にすることを言いますが、高断熱住宅とは室内と屋外との熱の移動を少なくすることを指していることが多いです。

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高気密高断熱住宅のデメリットとは何か

高気密高断熱住宅は、快適な室内環境を提供する多くのメリットがありますが、その反面、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、高気密高断熱住宅のデメリットについて詳しく説明します。

適切な換気が必要となる

高気密高断熱住宅は外気からの換気が少なく、室内に湿気や有害物質がこもりやすく、排出が困難になる傾向にあります。一度室内に入り込んだ匂いや煙が排出されにくくなるため、匂いの問題や、空気中に有害な物質がたまって健康に悪影響を及ぼし、結露やカビの発生などの問題が発生する可能性もあります。そのため、適切な換気を確保することが必要です。適切な換気を確保するためには、24時間換気システムなどの換気設備を設置し、換気のための窓やドアなども適切に設計する必要があります。

2003年7月から施行された改正建築基準法により、24時間換気システムの設置が義務付けられています。24時間換気システムには、給気と排気の両方にファンを用いる「第1種換気」、給気のみファンを使用して排気は自然換気とする「第2種換気」、排気のみファンを使って給気は自然給気とする「第3種換気」の3種類があります。それぞれの方式によって、取り入れる空気と排出する空気の量、空気の流れ方などが異なります。高気密高断熱住宅の場合は、利用者の人数、使用用途などに合わせて、適切な方式を選択することが重要です。

高いコストがかかる

高気密高断熱住宅を建てる場合、適切な断熱材や窓、換気システムを使用する必要があります。断熱材や気密、断熱に優れたサッシは一般的な住宅に比べるとコストがかかります。このため、初期投資額が増加します。

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高気密高断熱住宅は結露は発生しやすい?

高気密高断熱住宅は室内の湿気が外に逃げにくくなるため、外壁などで結露が発生しやすくなるといわれていますが、実際には高気密が結露発生の要因ではありません。適切な設計をせず、しっかりと気密できていないことが原因の場合が多いです。気密性が低いと、断熱材のすき間や外壁材、サッシの取り付け部分などから外気が侵入し、内部との温度差が原因で結露が発生します。この結露によって、カビや腐食が生じ、建物の健康維持に影響を与える可能性が高くなります。高気密だから結露が発生しやすいのではなく、適切な設計や施工がされていないことが原因で結露が発生しやすくなります。高気密住宅だから結露が発生すると勘違いされる原因の一つに、高気密住宅でよく使われるダクト式の換気装置の運転、メンテナンス不足があります。適切な運転やメンテナンスがされていなければ、結露やカビの発生する可能性が高まりますので、注意が必要です。

適切な建材・断熱材の選択をする
高気密高断熱住宅に限った話ではありませんが、住宅の結露対策として適切な建材・断熱材を選ぶことが重要です。断熱材にはグラスウールから天然素材の羊毛を使ったウールブレス、炭化コルクなど様々な種類があります。断熱性能だけでなく、湿気がこもりにくく、適度な透湿性がある断熱材を選ぶことで、結露の発生を防止します。壁内の水分をできるだけ外部に排出できるように、外側に貼る耐力面材などは、水分が透過しやすい材料を選定したほうが良いでしょう。

高気密高断熱住宅のデメリットへの対策

高気密高断熱住宅には、いくつかのデメリットがありますが、以下に具体的な対策を紹介します。

適切な換気システムを導入する

高気密高断熱住宅は、気密性が高いため換気をしないと有害物質や匂いがこもりやすいデメリットがあります。そのため、室内にこもった湿気や有害物質を排出するために、適切な換気システムを導入し、効率的に換気されるような間取りを考える必要があります。効率的に換気される間取りにするためには、吸気口と排気口の位置が重要です。それぞれを離れた位置に設置することで、家全体の空気が効率的に換気されます。また、壁や家具の位置なども考慮し、空気の通り道を考えて設置することで、より効果的な換気が可能です。部屋によっても空気の汚れやすさの度合いは異なります。トイレ、キッチン、浴室、リビングは、空気が汚れやすくなります。このような場所では、換気性能が高いシステムを導入することが重要です。高気密高断熱住宅に限った話ではありませんが、健康的な室内環境を保つには、室内に発生するホルムアルデヒドなどの有害物質を分解する石膏ボードを使うことも有効です。

湿度調整をする

高気密高断熱住宅は空気を閉じ込めるため、温度を一定に保ちますが、換気をしないと湿度を下げることが難しいという特徴があります。そのため、湿度の低い冬場にはメリットとなりますが、夏場にはデメリットとなることがあります。夏の快適温度は24度〜27度とされていますが、湿度が高い場合、24度でも蒸し暑く感じます。また、雨の日など外気の水蒸気量が多い時には、24時間換気によって湿気が流入し、湿度が上昇する場合があります。除湿機やエアコンを使用して湿度調整をすることが必要です。

長期的なコストパフォーマンスで比較をする

高気密高断熱住宅は、優れた断熱材やサッシ、換気システムを導入するため、初期投資がかかります。しかし、光熱費の削減や住宅維持コストの削減などができるため、長期的に見るとコストパフォーマンスが良いといえます。高気密高断熱住宅は、建物内の気密性を高く保つことにより、暖房や冷房の効率が良くなり、光熱費を削減します。原油価格の高騰やウクライナ情勢などの要因により光熱費が高騰している現状を踏まえると、長期的に見て高気密高断熱住宅の初期投資は、光熱費の高騰に対して有利になる可能性があるといえます。

高気密高断熱住宅を建てる際に大事なこと

高気密高断熱の住宅についてデメリットを説明しましたが、適切な対策を講じて建てれば、快適で健康的な住まいとなります。では、適切な対策を講じるために最も大事なことは何だと思いますか?それは、工務店・ハウスメーカーの選定です。

知識豊富な工務店やハウスメーカーを選ぶこと

高気密高断熱の家のデメリットに対策をするためには、知識豊富な工務店・ハウスメーカーの選定が重要です。高気密高断熱住宅のデメリットの多くは、「高気密高断熱への知識がない(設計ができない)」もしくは「施工の問題」が要因として挙げられます。工務店・ハウスメーカーを選ぶ際には、口コミの評価や実際に建っている住宅の確認が大切です。完成内覧会や構造見学会に参加して、冬季や夏季に快適な住宅か、他の部屋と温度差がないかなど、自分の目で確かめてみましょう。特に建築中の見学会はとても貴重な機会のため、是非参加してみてください。構造見学会を実施する工務店は構造や施工に自信があるともいえます。どのような断熱材を使用しているか、聞くだけでなく実際に見られるのは構造見学会です。このような機会は滅多にないため、構造見学会が開催されているのであれば、是非一度行ってみることをお勧めします。

気密性能と断熱性能のバランスをとることが重要

気密性のかなり高い住宅(C値0.5以下)では、熱交換型の第1種換気方式を選ぶことをおすすめしています。熱交換型でなければ、換気装置は大きな穴が開いているのと同じで、住宅の気密性能を高めた意味がなくなってしまいます。熱交換型換気システムは、排出される空気の熱エネルギーを回収し、冷たい外気に移すことで暖房エネルギーを節約するシステムで、高気密な住宅であるほど効果を発揮します。ダクト式換気システムの場合は熱交換で得られたエネルギーより、ダクトを使って室内空気を循環させるエネルギーのほうが大きいため、省エネ効果があまり期待できません。

このように、高気密高断熱住宅は、単に気密性能だけを上げれば良いというものではないので、注意が必要です。気密性能を極端に高め、換気装置も高性能なものにすると住宅の建築コストはかなり高くなります。気密性能と断熱性能のバランスをとることが重要です。

埼玉・あきる野で高気密高断熱住宅を建てるならイデアホーム

高気密高断熱住宅はデメリットの対策も含めて、一般的な住宅よりもコストがかかります。ただし、将来の電気料金の上昇が予測される中、住宅の省エネ性を向上させることは、将来の生活を安定させることにもつながります。是非、性能とコストのバランスを考慮し、高気密高断熱の住宅をご検討ください。

埼玉・あきる野で家づくりをしているイデアホームは、高気密高断熱住宅を建てる際に、高性能な断熱材を使用し、家の立地条件、風通し、日当たりなどを考慮した適切な設計をしている工務店です。お客様の要望に合わせ最適な設備を提案し、安心して快適な暮らしができる高気密高断熱住宅を提供します。是非、一度ご相談ください。

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