注文住宅の頭金はいくら必要?頭金がなくても住宅ローンは借りられる?

注文住宅を購入するときは、多くの人が住宅ローンを利用します。そこで気になるのが頭金です。では頭金はどの程度必要かご存知ですか?多ければ多い方が良いのか、頭金ゼロだと住宅ローンは借りられないのか?今回は注文住宅を建てる際に必要となる頭金について解説します。

注文住宅の頭金はいくら必要?頭金がなくても住宅ローンは借りられる?

お金のノウハウ

2023/03/10

注文住宅の頭金ってなに?

住宅購入の際に目にするのが「頭金」です。どの程度の金額を用意したらいいのか、頭金がなくても家は買えるものなのか、頭金が少額な場合はどのようなリスクがあるのか、分からない人も多いと思います。今回は頭金の基本的な考え方から、どの程度用意をしたらいいのか、また頭金がなくても注文住宅は購入できるのかを解説します。

注文住宅の頭金とは

住宅を購入するときには多くの人が住宅ローンを利用します。しかし住宅ローンだけで購入するケースは少なく、大抵の場合は購入代金(住宅価格)の一部を自己資金で支払います。この自己資金で支払う分を頭金と言います。
頭金と似た名前で手付金というものがあります。手付金は売買契約を結んだ際に支払う代金のことで、契約を結んだ証拠として支払いをします。手付金は払って終わりではなく、決済時には住宅購入費の一部として充てられます。ただし、仮にお客様側で契約をキャンセルすることになった場合、まれに手付金は返金されない場合があるので注意が必要です。

注文住宅の頭金はいくら必要?

頭金をいくら用意しなければいけないのか、正確な決まりはありません。ただし、一般的には、住宅価格の20%~30%程度を用意しておくことが望ましいとされています。これは、20%~30%程度の頭金があれば住宅ローンの借入金額を住宅価格の70%〜80%まで抑えられ、月々の支払金額を無理なく返せると考えられているからです。

■イデアホームが施工を担当する埼玉県の例
頭金を20%用意する場合
木造住宅の総費用(土地+建物)の相場は4,700万円
4,700万円×20%=940万円

上記水準を頭に入れて計画を立てるとして、現状940万円を現金で用意することはなかなか難しいのではないでしょうか。ここで気になるのが「望ましいとされている頭金の割合」と、「実際に注文住宅を購入した人が用意した頭金の割合」です。今回は住宅金融支援機構がフラット35の利用者に対して行った2021年度調査から算出してみました。(【住宅金融支援機構】フラット35利用者調査 https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html

新築物件 注文住宅(土地込み)

都市区分建設費+土地取得費用手持金(頭金)頭金の割合
全国平均4,455万円412万円9%
首都圏平均5,132万円508万円10%
埼玉県平均4,726万円415万円9%

新築物件 注文住宅(住宅のみ)

都市区分建設費手持金(頭金)頭金の割合
全国平均3,745万円407万円11%
首都圏平均4,113万円472万円11%
埼玉県平均3,610万円357万円10%

2021年度の調査結果は、土地込みの購入の場合、頭金の割合は全国平均で9%、住宅のみの場合、頭金の割合は11%でした。この割合は一般に用意することが望ましいとされる20%〜30%よりも低く、理想とされる割合の頭金を用意したケースは、実際にはそう多いとは言えないでしょう。ちなみに2020年度の調査では、全国平均で土地込みの場合、頭金の割合は10%、注文住宅のみの場合、頭金の割合は17%、2019年度は18%と10.4%、2018年度は18.7%と10.9%でした。用意する頭金の割合は年々少なくなりつつある傾向が見て取れます。無理に頭金を多めに用意して生活が圧迫されるより、1割程度に抑える方を選ぶ方が増えているのが、調査結果から分かりました。

注文住宅の頭金は多ければ多いほど良い?

頭金は住宅購入費の一部となるお金です。一般的には20%〜30%用意しておくと良いと言われている頭金ですが、実際に2021年度に注文住宅を購入した人が用意していた金額は10%でした。では、頭金は多ければ多いほど良いのでしょうか?今回はメリットとデメリットを紹介します。

頭金が多い場合のメリット

  • トータルで返済する借入額が少なくなる
  • 住宅ローンの金利が優遇される
  • ローン審査で有利になる

トータルで返済する借入額が少なくなる

頭金の分だけ住宅購入費の未払分が減るため、多いほど住宅ローンの借入金額を抑えられます。住宅ローンは金利が発生するため、実際の借入金額よりも多く返済しなければなりません。借入額が多額であるほど利息も増えるため、総支払額も高額になります。そのため、頭金を多くして借入金額を抑えればトータルで返済する額も少なくなります。

住宅ローンの金利が優遇される

多くの銀行では、住宅ローンの頭金を1割〜2割入れれば金利が下がるプラン(優遇金利)を組めるようになっています。金利が下がれば、その分支払う利息額も少なくなるため返済総額を抑えることができます。

ローン審査で有利になる

頭金をしっかりと用意できている人は、銀行から見ても信用力を高く評価され、ローン審査でも有利になります。頭金を用意することは、きちんと貯蓄できる人であることの証明でもあり、銀行から見ると好印象となるためです。また、頭金を入れると借入金額が少なくなるため、それだけ返済負担率にも余裕ができ、審査にプラスの影響があります。

頭金が多い場合のデメリット

  • 頭金を入れすぎて手元資金が手薄になると、家計バランスが崩れる
  • 住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けられない

頭金を入れすぎて手元資金が手薄になると、家計バランスが崩れる

住宅を購入するときは、頭金のほかにも諸費用や引っ越し代、家具購入費などの様々な費用が必要になります。さらに、将来や万一の事態への備えもできなくなってしまうため、ある程度自己資金は手元に残しておかなければいけません。頭金の支払いで手元資金が少なくなると、その後の家計バランスが崩れてしまう可能性が高くなります。

住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けられない

頭金を多くしすぎると、住宅ローン減税の控除額が減ります。住宅ローン減税とは、新築の場合住宅ローンを組んだ年から13年にわたって、年末時点での住宅ローン残高の1%分が所得税や住民税から控除される制度です。ローンの残高が多ければそれだけ控除される金額も多くなり、納税額を減らせます。そのため、頭金を多く入れて借入額やローン残高を少なくするということは、減税により受けられる恩恵もそれだけ少なくなるということです。

頭金が多いほどローンの総返済額が減るメリットはありますが、生活に支障がでるほど多くするべきではありません。また、頭金が目標額まで貯まるまで住宅の購入を控えていると、買うタイミングを逃す恐れもあります。さらに、年齢が上がってから住宅ローンを組むと完済時の年齢も高くなるため注意が必要です。例えば、同じ35年ローンを組むとしても、30歳であれば65歳で完済しますが、40歳であれば75歳まで返済が続きます。頭金を貯めることにこだわって購入が遅くなると、ローンの返済で老後の生活が苦しくなることになりかねません。大切なのは頭金の額ではなく、自己資金額とのバランスです。

注文住宅の頭金はなくても家は買える?

現在は、頭金なしでも住宅ローンを借りることができる金融機関が増えています。そのため、頭金なしでも家を購入することはできますが、注意すべき点が4つあります。

頭金をゼロにすると、借入金が増えて利息負担が増える

住宅を購入する際にかかる利息は、借入金に対してだけかかります。そのため、頭金がなく借入金の割合が増えれば増えるほど、利息負担も増え、合計で支払う利息額が高くなってしまいます。例えば3,000万円の物件を購入する場合、10%の頭金を用意すれば、借入金は2,700万円に下がります。頭金ゼロで購入する場合には、300万円分の利息が加算され、トータルの利息負担が増えます。

諸費用分は現金で必要なこともある

不動産を購入する際には、物件の購入費用だけではなく、それに付随する様々な諸費用の支払いが必要です。不動産会社に支払う仲介手数料、住宅ローン手数料、登記費用、手付金、各種保険料などが代表的な諸費用です。住宅ローンはあくまでも不動産そのものの費用を支払うためのローンです。通常これらの諸費用を住宅ローンに含めることはできません。諸費用の支払いは現金の一括払いが基本になるので、頭金はゼロでも注文住宅は購入できますが、完全に手持ちの資金ゼロで住宅を購入することはできません。

諸経費用のローンもあるが、支払いは二重になる

金融機関によっては諸費用を住宅ローンに含めて借りられるケースや諸経費用のローンもあります。その場合は諸費用分の現金は不要になりますが、頭金ゼロの場合よりもさらに借入額が増えるので、支払い金額が増え、家計が破綻する可能性が大きくなります。

頭金がゼロでも貯金は必要

手付金と諸費用を現金で支払うことを考えると、頭金がゼロの場合は最低でも住宅価格の8〜20%程度は現金を用意しなければいけません。では手元の貯金がそれだけあれば足りるのかというと「自己資金がまったくないから頭金なしで購入する人」の場合、家計が破綻する可能性が大きくなる可能性がある点には十分に注意しておきましょう。突然の病気などの出費に備えて、最低でも生活費の6カ月〜1年分の貯金が必要と言われています。

注文住宅の頭金は無理のない範囲で準備を

住宅ローンを組むうえで頭金は重要ですが、本当に大切なのは「自己資金額と将来の資金計画とのバランス」です。家を買う際に頭金を1~2割用意できると、住宅ローンとして借り入れる金額が減り、毎月のローン返済額や最終的な総返済額を減らすことができますが、その一方であまり無理して貯金を頭金に充ててしまうと、その後の急な出費に対応できなくなる心配があります。家の購入後もマイカー購入や子供の進学等でまとまったお金が必要になりますので、その分の貯金は残せるようなバランスをとった計画をしていきましょう。万が一の病気やケガなどによって一時的に収入がなくなるリスクに備えることも大切です。

東京・あきる野で家づくりをしているイデアホームでは、ご契約の前の段階で、必要な費用の総額を改めて算出し、お客様の想定や予算とかけ離れていないかどうかの確認を行うための資金計画書を作成します。土地購入やインフラ整備の有無、住宅ローンに関係する事柄など、条件はお客様ごとに異なるため、十分にお話しを聞きながら進めていきます。お客様にとって無理のない範囲の頭金が分からない場合、ぜひ一度イデアホームへご相談ください。

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