注文住宅に多い失敗例とは?

注文住宅を建てる際、誰もが「絶対失敗したくない」と思うのではないでしょうか。しかし、実際に住んでみないことには失敗に気づかないことも事実です。そこで家づくりの先輩たちがどのようなことに「失敗した」と感じたのかを知り、自分の家づくりの参考にしましょう。

注文住宅に多い失敗例とは?

家づくりのノウハウ

2022/04/22

注文住宅での失敗について知ろう

注文住宅とは

そもそも注文住宅とは、家を購入する施工主が、間取りや仕様、デザインなどを自由に決めることができる、オーダーメイドの住宅のことを言います。建売住宅や分譲住宅のようにすでに完成している住宅とは違い、施工主の希望を自由に取り入れた理想の家づくりができます。ただし、分譲住宅などのように土地がセットになっているわけではないため、土地探しや住宅会社を選ぶところからのスタートとなります。
また、構造や間取り、内装、設備などの詳細な打ち合わせも必要です。すでに完成している分譲住宅などを購入することに比べると、手間と費用がかかることになります。家づくりにこだわりがある場合、予算を工面できるのであれば、注文住宅の方がより理想に近い家を手に入れやすいと言えるでしょう。

注文住宅の失敗例を知る必要性

さて、一体何故失敗例を知る必要があるのでしょうか。それは、これから家を作る方が、できるだけ失敗をしないで済むようにするためです。
注文住宅の場合、オーダーメイドという特性上、非常に多くのことを施工主が決めていく必要があります。自分たち好みの自由な設計ができるため、住宅によほど詳しくない限り、さまざまな選択肢に迷うことも多くなります。
注文住宅でマイホームを建てた方の中には、後から「こうしておけば良かった……」と1つや2つ後悔する点が出てくることが少なくありません。いくら綿密な打ち合わせをして、図面通りの家を建てられたとしても、家は実際に住んでみないとわからないことが数多くあります。 だからこそ、実際に注文住宅を建てた方がどのような点を後悔・失敗したのか、前例を多く知っておくことで、自分たちはどうするべきかを検討することができます。 家づくりの先輩たちの失敗例を、ぜひ自分たちの家づくりに活かし、後悔のない家づくりをしましょう。

注文住宅のよくある失敗事例

注文住宅でよく聞かれる、実際にあった失敗の事例を大きく「家本体、土地・住宅会社、予算」の3つに分けてご紹介します。

家本体に関する失敗

「冷暖房効率が悪かった」、「耐震性に不安がある」など。

家の機密性や断熱性が低いと、冷暖房効率が悪くなり光熱費がかさんでしまいます。吹き抜けや、スキップフロアなどは開放感がある反面、部屋が広くなるため要注意です。昨今のコロナ禍で、在宅ワークやおうち時間が増えているため、電気の消費自体が増加傾向にあります。電気代そのものも高騰しているため、太陽光発電など創エネをする設備がない場合、月々の光熱費が負担になる可能性が高まります。
暖房費がかかるという問題以前に、実際「家の中が寒い」という切実な問題もあります。これは、賃貸マンションに住んでいる方が、戸建て住宅に移るときによく聞かれます。鉄筋コンクリート造のマンションは、蓄熱性が高く暖かいという特徴があります。その暮らしに慣れてしまうと、断熱性能が低い住宅というものが想像できなくなってしまいます。結果、価格を重視して断熱性が低い家を建てて、家の中が寒くなってしまうという失敗をする例が多くあります。
また、家を建ててしまった後に耐震性を強化することは難しいため、建設段階で必ずその土地にあった耐震性の構造で建築しましょう。後から「実は揺れやすい地域だった」と発覚して困らないように、ハザードマップを確認することや微動探査という最新の地盤調査を行う必要があります。

間取りに関する失敗例

「実際に家具を置いてみたらドアが開けにくい」、「窓の位置が微妙で棚が置けない」、「家事動線を考えていなかったので、洗濯物を干しに行くのが大変」、「和室を作ったが不要だった」、「玄関から洗面所が遠く、帰ってきてすぐに手を洗えない」など。

生活をする際の移動経路である生活動線や、家事をする際の移動経路を指す家事動線を考えずに間取りを決めてしまうと、実際に住んだときに「使いにくい」と感じてしまうことがあります。日々の生活の流れを想像し、日常の動きに沿った間取りを考えることが必要です。家具の配置も想定しながら間取りづくりをしないと、「冷蔵庫を置いた結果、キッチンが非常に狭くなってしまった」、「ソファの位置が移動の邪魔になる」など、さまざまな問題が出てきてしまいます。
部屋の広さも、狭すぎると希望の位置に家具が配置できなかったり、移動の妨げになったりしてしまいます。だからといって、冷暖房効率の観点から、広ければ良いというわけではありません。配置する家具のサイズを念頭に置き、どの程度の広さが自分たちにとって快適なのかを検討するようにしましょう。

設備に関する失敗例

「憧れのアイランドキッチンを採用したけれど、散らかしていると目立つため片付けが大変」、「キッチンの高さが自分の身長とあっておらず使いにくい」、「お風呂の壁にタイルを採用したらカビがつきやすく、掃除が手間」、「駐車場が狭く車の車庫入れが難しい」、「コンセントの数が足りなかった」など。

設備にはさまざまな後悔や不満の声が多くあります。これらは使用者の主観になるため、ものや場合によっては特に賛否が分かれるところではあります。否定的な意見があっても、自分には合っていたということもあるため、モデルハウスや完成見学会などで是非実物を確認してみましょう。実物を見ながら、実際に使用した場合を想像してみることで、要・不要の判断がしやすくなるかもしれません。なお、コンセントについては想定の2倍はつけることをオススメします。家具家電の位置と配線をきちんと考え、自分たちの生活に合わせてコンセントを設置する位置や高さも決定すると良いでしょう。悩んだときには住宅会社に相談するのも1つの手段です。

収納に関する失敗例

「収納の数・広さが足りなかった。奥行きに無駄があった」、「階段下収納に合うサイズの収納ボックスがなくて、活用できない」、「屋根裏収納が暑くて夏場は入りたくない」など。

収納は、なくて困ることがあっても、あって困ることはほとんどありません。スペースを無駄なく活用するには、必要な場所に必要な広さの収納をつけることが大切です。収納を考える際には「収納の高さ、幅、奥行き」、「配置する場所」、「将来的な変化」を意識するようにすると良いでしょう。間取りを考える段階で、どこに何を収納するのかを考えておくと、荷物を運び込む際にスムーズです。
例えば玄関の場合、靴の収納に関してはすぐ想像できます。しかし、他にも雨具や掃除用具、趣味の道具(ゴルフバッグなどのスポーツ用品)、ベビーカーや自転車など、玄関周辺に置いておきたいものを考えてみると良いでしょう。ガレージがある場合なども併せて、「何を、どこにしまうのか」を考えながら収納の位置と容量を検討すると、無駄のない収納スペースが確保できます。
また将来、子供の成長に伴い収納が足りなくなる可能性も想定し、どのような家具や荷物が増えるのかをある程度考慮しておくと安心です。収納は、面積だけ確保すれば良いように思われがちです。しかし、立体としてとらえてどのように収納するか計画しないと、面積が多くても無駄にスペースを使うことになってしまうので注意が必要です。

デザインに関する失敗

「外壁の色味がイメージと違った」、「実際に家が完成したときに違和感があった」など。

フローリング・壁紙・カーテン・外壁・屋根などを選ぶ際、写真や小さなサンプルだけを見て選ぶと、さまざまな違和感が生じることになりかねません。モデルハウスや完成見学会などに足を運ぶと、実物大で確認することができるため参考になるでしょう。
間取りばかりを突き詰めて検討すると、外観を検討しないままプランが決定されてしまうことがあります。気に入った外観にするためには、最初のイメージを優先して間取りを組み立てる必要があります。外観のイメージを活かした間取りを提案してくれる。そのような住宅のつくり方をしている住宅会社を選ぶと間違いありません。間取りソフトだけを使っているような住宅会社の場合、外観が損なわれることがあるため注意しましょう。

プライバシーに関する失敗

「家が道路より低い位置にあり、外から中が覗きやすくなってしまった」、「ウッドデッキを作ったが、外から丸見えのためデッドスペースになってしまった」など。

お隣の家との距離が近い場合、窓の位置などに気を配らないと「カーテンを開けたら目があった」ということになりかねません。かといって、外構を高めに作りすぎると閉塞感が生まれてしまうため、バランスをみながら上手にプライバシーを守るようにしましょう。土地の広さなどの問題もありますが、隣家と近すぎると、普段過ごす部屋の位置によっては騒音問題なども生じます。そのような点も踏まえて間取りづくりができれば安心です。

立地条件が悪かった

「広さは申し分ない土地を買ったものの、周辺に公共施設がなかった」、「通勤通学が遠く不便」など。

上記事例とは反対に、周辺へのアクセスは良いものの、土地が変形地や極少地で理想の家を建てられないという可能性もあります。小さい子供がいる場合などは、家の前の道路の交通量が多いことや道幅が狭いなども気になるところです。住んでみないとわからないことではありますが、ご近所との付き合い方など隣人トラブルも少なくありません。土地を購入する前に、実際に現地を何度か訪れてみて確認をしっかり行いましょう。

住宅会社との相性

「意思疎通がうまくいかなかった」、「思っていたよりも高額になってしまった」、「アフターメンテナンスの対応が悪い」など。

住宅会社は建設中も何かと関わることが多く、家が建った後もメンテナンスなどで長い付き合いになります。そのため、自分と合う担当者ではない場合、ストレスを感じることになりかねません。また、施工技術が低い会社だと、建築後すぐに不具合が出てしまうこともあります。その場合、修繕を任せるのも不安になってしまいますよね。注文住宅を立てる際は、のちのちの修繕のことまで視野に入れて、施工実績が確かでアフターサービスが充実している住宅会社を選ぶことが重要です。

住宅会社の資金計画のアドバイス

「オススメされた資金計画を、そのまま鵜呑みにしてしまった」など。

住宅会社では、資金計画を無料で作成するサービスや金融機関を紹介するサービスを提供していることがあります。家のこととお金のことをまとめて相談できてありがたい反面、提供された資金計画をそのまま鵜呑みにして失敗したという事例もあります。住宅会社が提携している金融機関より、さらに有利で自分に合った金融機関がある可能性もあるため、鵜呑みにするのではなく参考程度にして、きちんと比較検討しましょう。
もしも、依頼する住宅会社が、詳細まできちんと説明された見積もりを出してくれるようであれば、資金計画も立てやすく、ローンの相談をするにしても信頼できますよ。

家本体以外にかかる予算

「家本体以外にかかる費用を考えていなかった」、「予想より土地代が高くなってしまった」など。

注文住宅を建てる際には、土地代や建築費用といった家本体にかかる費用だけではなく、本体工事以外の別途工事費や諸費用もかかります。土地代と建築費用をそれぞれいくらくらいか設定しておかないと、土地代に思ったより費用がかかり、建築費用が足りなくなってしまうということも起こり得ます。
「諸費用」には、ローンの手数料や税金、地鎮祭や上棟式といった建築中に行う行事への費用や、引越し代などが含まれます。これらも頭に入れておかないと予算オーバーしてしまう可能性が出てきます。また、諸費用は現金で支払う必要があるため、手元にある程度の現金を残しておく必要があります。
近年、住宅本体の価格が安いいわゆるローコストメーカーといわれる住宅会社も増えています。ローコストメーカーの場合、住宅の本体価格が安くても、契約後に決めるオプション工事や地盤改良、解体、水道の引込みなどの後からかかる工事が極端に高いケースがあります。契約前に本体以外の契約外の工事費用も確認しておきましょう。

毎月のローン返済が負担になる

「月々のローン返済がきつく、レジャーなどに費用をかける余裕がない」、「会社の業績悪化で収入が減り、返済が負担になった」など。

住宅ローンの返済計画を失敗したと感じる人は少なくありません。「返せる額」ではなく「借りられる額」で限度いっぱい借りてしまうと、月々の返済が日々の生活を圧迫してしまう恐れがあります。ローンの検討をするときは「無理なく返済できる額」にすることで、ゆとりのある暮らしを実現できます。まずは家族の収支をきちんと把握することが大切です。

老後資金が不安

「住宅ローンと子供の教育費で貯蓄はほとんどできない」、「退職金もあまり期待できないため、老後が不安」など。

注文住宅を建てる年齢や、住宅ローンの支払いを何年の設定にするのかにもよりますが、住宅ローンはできるだけ定年と同時に完済できることが望ましいです。そのためには頭金を十分に用意しておくことや、余裕のある返済計画を立てることが大事になります。持ち家の場合の老後資金の参考はこちら→老後資金はいくら必要?〜持ち家の場合〜

失敗を回避するためのポイント

将来を見据えた家づくりをする

「おしゃれだから」「かっこいいから」などという理由だけで間取りを考えると、必ず失敗します。建てた家でどのように生活をするのか、子供やペットなど家族の形は現在と数年後ではどう変わるのか、老後はどう暮らしたいのかなど、ライフプラン・ライフステージに合わせて間取りを考えることが重要です。また性能や設備についても、長い目で見たときに、自分たちにとっての必要性とトータルコストを考慮し採用するようにしましょう。

例えば床暖房は必須という声の一方で、床暖房を設置したけど光熱費が高くてほとんど使っていないという声もあります。床暖房のある場所にソファやテーブル、ラグなどを設置した場合、家具の下に隠れてしまいあまり意味がないということも。
一方、床暖房はキッチンに設置すればよかったという声は多く聞かれます。冬の冷え込む朝早くにキッチンに立つことを考えると、確かに嬉しい機能ではないでしょうか。足元を温めたい場所をよく考えて設置すると、なんとなく機能を採り入れるよりもより快適な家になります。コストをかけるのであれば、より必要性の高い場所にすべきだと言えるでしょう。 

土地選び・住宅会社選び

土地を選ぶ際は、希望の家が建てられるだけの広さがあることと、地形や地盤をしっかり確認することが重要です。また学校や病院、最寄り駅などの公共施設までの距離等、環境と利便性が希望に添っているかもチェックしましょう。

▼理想の土地探しはこちらもご参考にどうぞ!

また、家づくりのパートナーとなる住宅会社は、家づくりの知識や技術はもちろん、担当者の人間性も大切な要素です。誠実な対応をしてくれる担当者、住宅会社であれば、建築後に何か不具合があった場合でもすぐに対応してくれるはずです。見学会や住宅展示場などで、営業マンと話す機会があれば、ぜひいろいろ質問してみましょう。そのときの対応がのちのちの対応の判断基準の1つになりますよ。

無理のない資金計画を立てる

予算に関して失敗しないためには「無理なく確実に返済できる予算計画」を立てることが何よりも重要です。まずは何にどのくらいの費用がかかるのかを把握した上で、自分たちが準備できる金額を洗い出しましょう。もし親の援助も期待できるのであれば、ぜひお願いするべきです。その上で、ローンはいくら借りる必要があるのか、どこから借りることが最適なのかなどきちんと検討するようにしましょう。

注文住宅で後悔しないために

ネットで調べれば、たくさんの注文住宅に関する失敗事例を見つけることができます。似たような事例もあれば、思いもしなかったような事例が紹介されていることもあります。また、人によっては失敗だったと思うことでも、自分にとっては大成功だったということも少なからずあります。大事なことは人の失敗談を参考にして、鵜呑みにするのではなく「では、自分たちはどうか」をしっかりと検討することです。
もし、周りに注文住宅を建てた友人や知人がいる場合は、失敗談とともに成功談を併せて聞いてみると、きっと良い参考になるでしょう。

安心して後悔のない家づくりをするためには、信頼できる住宅会社を選ぶことが必要不可欠です。住宅会社とは家づくりのスタートから、その後のアフターメンテナンスまで末長くお付き合いすることになるため、本当に自分にあった住宅会社を選ぶようにしましょう。
費用さえかければ、理想そのものの家を実現できる可能性は高まります。家そのものに対しては大変満足できるかもしれませんが、建設費がとんでもない額になってしまう危険性があります。結局、費用の面で失敗したと感じることになってしまいます。逆もまた然りです。大切なのは費用と満足度のバランスです。無理のない予算で、できるだけ理想に近い家づくりを実現する提案力のある住宅会社を探しましょう。

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