木造軸組工法は耐震性が低いって本当? 耐震性を強くするには?

「木造軸組工法は耐震性が低い」と言われることがありますが、木造軸組工法だからと言って一概に耐震性が低いと言えるものではありません。この記事では、木造軸組工法と耐震性の関係について、わかりやすく説明していきます。

木造軸組工法は耐震性が低いって本当? 耐震性を強くするには?

耐震のノウハウ

2022/12/19

木造軸組工法と2×4工法の違いと耐震性について

木造住宅を建てる際に代表的な工法である木造軸組工法と2×4(ツーバイフォー)工法の違いや、それぞれの耐震性について知ることができます。このコラムでは、特に木造軸組工法の耐震性に関するポイントを解説します。正しい構造計算の重要性を理解し、地震に強い家づくりの参考にしてみてください。

木造軸組工法って耐震性が低いの?

木造住宅の中でも、日本で特に人気があるのが木造軸組工法(在来工法)です。一方で、「木造軸組工法は耐震性が低い」と思われがちですが、これは必ずしも正しくありません。実際には、木造軸組工法だから耐震性が低いのではなく、「どんな工法でも、きちんと構造計算をしていなければ耐震性が低い家になる可能性がある」というのが正しい見方です。

木造住宅を建てる際の代表的な工法には、木造軸組工法と2×4(ツーバイフォー)工法があります。2×4工法では、建物を「面」で支えるのに対し、木造軸組工法は「軸」(柱)と「筋かい」で支えるのが特徴です。そのため、木造軸組工法の家では、2×4工法と比べて耐力壁(筋かいや面材)の数が少なくなることがあります。

もし耐力壁が不足していたり、地震のシミュレーションや構造計算が正確に行われていなかったりすると、耐震性が不十分な家になってしまう可能性があります。そのため、木造軸組工法で家を建てる際も、適切な構造計算を行い、耐震性をしっかり確保することが重要です。

2×4工法との耐震性の違いは?

まずは木造軸組工法と2×4工法の違いについて簡単に触れておきましょう。

木造軸組工法と2×4工法の耐震性の違い

木造軸組工法は、地震の力に対抗する耐力壁を「筋かい」で構成しています。一方、2×4工法は耐力壁を「面材」で構成し、建物全体を面材で覆うことで耐力壁の量が増え、耐震性が高くなる傾向があります。しかし、木造軸組工法でも外周部全面を面材で施工し、耐力壁の量を増やすことで、2×4工法と同等以上の耐震性を持つ住宅を作ることが可能です。また、木造軸組工法は太い柱を使用するため、細い枠材を使う2×4工法より垂直方向の力に強いという利点もあります。

耐震性を高めるために最も重要なのは、工法そのものではありません。耐力壁の配置を計算する「構造計算」と、実際の地震動に対する損傷を検証する「耐震シミュレーション」をしっかり行うことが重要です。これらを行うことで、建築基準法や耐震等級3といった基準を満たすだけでなく、より多くの耐力壁が必要なことが分かります。また、構造計算を行わないと、適切な箇所に部材を配置できず、家全体のバランスが悪くなる可能性があります。どれだけ頑丈な金物や建材を使用しても、不適切に配置されていてはその効果を発揮できず、耐震性が低くなります。一方、正しい構造計算に基づいて建てられた木造軸組工法の住宅は、一般的な2×4工法の住宅よりも高い耐震性を持つことができます。

ただし、木造軸組工法は施工する職人の腕に左右されやすい傾向があります。近年、職人の数が減少しており、腕の良い職人も限られています。一方、2×4工法は工場でパネルを製造し、現場で組み立てるため、職人の技術による影響が比較的小さく、不安を感じにくいかもしれません。ただし、2×4工法は面で支える構造のため、複雑な形状の家を建てるのが難しい場合や、施工後に壁を壊すようなリフォームができないことがあります。

耐震性だけでなく、こうしたメリットやデメリットも考慮した上で、自分に合った工法を選ぶことが大切です。最終的に重要なのは、木造軸組工法か2×4工法かを選ぶことではなく、信頼できる工務店やハウスメーカーを選び、納得できる耐震性能の家を建てることです。

▼ 2×4工法に関してはこちらの記事でも解説しています

木造軸組工法で耐震性を高くする方法

木造軸組工法で耐震性を高くするには、まず何よりも「工務店・ハウスメーカー選び」が重要になります。耐震性に重きを置いていない工務店・ハウスメーカーでは、構造計算をしておらず、法律上ギリギリの耐震性しか持たない家を建てるところも多くあります。「うちは耐震等級3なので安心ですよ!」とうたっている工務店・ハウスメーカーでも、「数値上」耐震等級3になるよう建材の調整などをしているだけで、地震が起きたときのシミュレーションから算出された構造をしていないかもしれません。そのようにして建てられた住宅は、実際に地震が起きた際に倒壊してしまう可能性がゼロではありません。
家を建てようと決めた際に、まずは耐震性に重きを置いている工務店・ハウスメーカーかをチェックするようにしましょう。その上で、耐震性を高めるためにどういった工法や建材を使用するのかを担当者と話し合うのが重要なポイントです。

耐震性に関して信頼の置ける工務店・ハウスメーカーを選ぶ7つのポイント

耐震性に関して信頼の置ける工務店・ハウスメーカーを選ぶには、以下のポイントを確認してみましょう。

  • 構造計算を行っている(壁量計算ではなく、許容応力度計算、保有水平耐力計算を行っている)
  • 構造計算に時刻歴応答解析を行っているとなお、良い
  • 地震が起きた際のシミュレーションをしている(wallstatなど)
  • 家を建てたい地域の地盤について、地震時に揺れやすいかどうかの話もしてくれる
  • 詳細な見積書を提出している(使用する建材を明らかにしている)
  • 耐震性に関して質問した際に、詳細な説明を返してくれる
  • 耐震等級3なら大丈夫!などと安易なことを言わない

こういった点をクリアできている工務店・ハウスメーカーであれば、耐震性の面ではかなり安心だと言えます。デザインや安さで工務店・ハウスメーカーを選び、後々後悔しないように気を付けましょう。

東京・あきる野で地震に強い家づくりをしているイデアホームなら上記のすべての点をクリアしています。独自のハイブリッドユニット工法は、木造軸組工法の構造の強さと2×4工法のパネルユニットなどそれぞれの長所を兼ね備え、特許を取得しています。木造軸組工法でも、 2×4工法でも、耐震性の高い家を建てられますので、是非一度家を建てるときの候補に入れていただければと思います。

▼木造軸組工法に関わらず、地震に強い家を建てるためのノウハウが知りたい方はこちらもご覧ください

耐震性の高い家を建てるなら「耐震研究所」へ

耐震性の高い家を建てたいなら、一度イデアホームの耐震研究所にお越しください。耐震研究所は、日本中に地震に強い家が増え、安心して暮らせる地域社会になるように、耐震に関する情報やノウハウをより多くのお客様や業界関係者の方々と共有したいという想いで建てたものです。
耐震研究所では耐震性の高い家を建てるためのノウハウや工法などをご説明します。強引な営業などは一切行いませんので、家づくりの勉強として、是非お気軽にお越しください。ご予約いただければ、スムーズなご案内ができます。

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