耐震等級とは? 等級の違いやメリット・デメリットを知ろう

近年は2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震を始めとする大きな地震が多く発生しており、住宅の耐震等級の重要度は増しています。今回は耐震等級とはなにか、等級の違いやメリット・デメリットを解説します。

耐震等級とは? 等級の違いやメリット・デメリットを知ろう

耐震のノウハウ

2023/12/08

1. 耐震等級とは?

住まい探しや家の新築を検討する際に、「耐震等級」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。今回は埼玉県で地震に強い家づくりを行っているイデアホームが、耐震等級について詳しく説明します。また、過去にイデアホームが耐震等級に関して書いた記事も紹介します。地震に強い家づくりに欠かせない耐震等級について、少しでも理解を深めていただければ幸いです。

2. 耐震等級の基礎知識

地震に強い家を建てたいと思う方にとって、「耐震等級」という基準は非常に重要です。この基準は、建築に詳しくない人でも理解しやすいように設計され、家の強度を示す目安として機能します。耐震等級は、地震に対する建物の強度を示す指標であり、これは「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいて定められています。この指標によって建物の耐震性能は3段階に分類され、数値が高いほど耐震性能が高いことを意味します。ただし、耐震等級を取得するためには、基準を満たす建物を建てるだけでは不十分です。耐震等級の認定を得るには、評価機関への申請と審査が必要であり、この審査は統一された基準で行われるため、評価機関による違いはありません。

耐震等級は、地震による建物の倒壊を防ぐための構造体の強度を示します。この概念には、免震や制震といった異なる技術も関連しています。免震は地震の揺れを建物に伝わりにくくする構造であり、一方、制震は建物内にダンパーなどを設けて地震の揺れを吸収する技術です。

▼耐震について詳しくはこちらの記事もご覧ください。

3. 耐震等級の詳細と特徴

耐震等級は、専門知識がなくても住宅の耐震性能を簡単に見分けられるよう、1から3までの3段階で表されています。耐震等級3が最も高いレベルですが、等級3であっても実際の地震への耐性を完全に保証するものではありません。たとえば、2階建ての木造建築では「壁量計算」などの比較的簡単な計算により、耐震等級3を取得することが可能です。しかし、実際の地震に耐えられる家を建てるためには、「耐震シミュレーション」「構造計算」「構造解析」の実施が必要です。

家を建てる際には、耐震等級だけではなく、どのような計算方法が用いられているのかを尋ねることで、建物の地震に対する耐性をより正確に把握することができます。ここでは、それぞれの耐震等級について、一般的な説明を行います。

耐震等級1

耐震等級1は、耐震等級の中で最も基本的なレベルを示します。この等級の建物は、建築基準法で定められた最低限の耐震性能を持ちます。具体的には、震度6から7の地震に一度耐える能力があるとされていますが、地震後に大規模な修繕や住み替えの必要性が高まります。これは、法的な最低基準を満たしていることを意味し、新築住宅や建物のほとんどがこの等級をクリアしています。

耐震等級2

耐震等級2は、耐震等級1よりも高い耐震性を提供します。具体的には、耐震等級1の1.25倍の耐震性を持ち、震度6から7の地震に対してより高い耐久力を持つとされています。地震後の補修は一部で済むことが多く、理論上は住み続けられるとされています。しかし、熊本地震のような事例では崩壊した家屋も見られました。耐震等級2の建物は、長期優良住宅として認定されることもあり、災害時の避難施設として機能する体育館や学校、病院などではこの等級以上が求められます。ただし、これらの施設は小規模な木造住宅と異なり、構造計算が義務付けられているため、耐震性能が大きく異なる場合があります。

耐震等級3

耐震等級3は、耐震等級の中で最も高いレベルです。耐震等級1と比較して約1.5倍の耐震性を持ち、震度6から7の地震に対しても優れた耐久性を発揮します。地震後は軽微な修繕で済むことが多く、持続的に安全な住環境を提供します。警察署や消防署などの公共建築物は、災害時の重要な拠点として耐震等級3の耐震性を要求されることが一般的です。ただし、これらの施設は構造計算が義務付けられているため、木造住宅とは耐震性が異なります。より強い家を建てる場合は、耐震等級3だけでなく構造計算の有無も確認することが重要です。

▼耐震等級3は必要?詳しくはこちらの記事をご覧ください。

耐震等級が高い家を建てるメリット・デメリット

耐震等級の説明と、耐震等級1〜3のそれぞれの特徴について説明しました。ここでは地震に強い家を建てるのであれば耐震等級は高い方が良いと思いますが、それぞれ耐震等級のメリットとデメリットについて説明します。

耐震等級が高い家のメリット

耐震等級が高い家のメリットについて説明します。

大地震発生時の倒壊リスクが低い

高耐震等級の住宅は、大規模な地震において倒壊のリスクが著しく低いです。例えば、熊本地震では耐震等級3の住宅の大半が無被害であり、その安全性が実証されています。

地震保険料の割引

耐震等級が高い住宅は、地震保険料の割引が適用されます。耐震等級1で10%、耐震等級2で30%、耐震等級3で50%の割引があり、長期的な経済的利益が期待できます。

低金利での住宅ローン利用:

フラット35などの住宅ローンでは、耐震等級に応じて金利の引き下げがあります。耐震等級2および免震建築物では初期5年間0.25%、耐震等級3では初期10年間0.25%の金利引き下げが適用されます。

耐震等級が高い家のデメリット

耐震等級が高い家のデメリットについて説明します。

建築コストの増加

 耐震等級を上げるためには、耐力壁の増設や耐震金物の設置など、追加の建築コストが発生します。特に高い耐震等級を目指す場合、このコストは顕著になります。

間取りの制限

高耐震性を実現するためには、間取りに一定の制限が生じる可能性があります。壁の配置や柱の太さに制約が生じ、デザインや機能性の面で妥協が必要になることがあります。耐震等級が高い住宅を建てることは、安全性や経済的なメリットをもたらしますが、建築コストの増加や設計上の制限も考慮する必要があります。日本のような地震が多い地域では、耐震性は基本的な要素です。したがって、構造計算を行った耐震等級3(警察署や消防署と同等の耐震性)を選択することが、最低限の基準と考えられます。

耐震等級について理解して地震に強い家を建てよう

日本は地震大国であり、東日本大震災や熊本地震などの過去の大規模震災を振り返ると、耐震性の高い住宅の重要性が明らかになります。新築住宅を建てる際、耐震性は確認すべき重要な要素です。しかし、「地震に強い家」とは、単に耐震等級が高いだけで実現されるものではありません。国の基準では震度6から7の地震での倒壊や損傷の程度が耐震等級ごとに定められています。ただ想定以上の地震が発生することもあり、損傷が大きくなる可能性もあります。そのため、建築前には耐震シミュレーションを行い、地震時の建物の損傷を確認することが重要です。

地震に強い安全な家づくりにおいて最も重要なのは、信頼できる工務店やハウスメーカーを選ぶことです。適切な選択をすることで、安心して地震に強い家を建てることが可能になります。

▼本当に強い地震に耐える家を選ぶ方法、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

地震の揺れを体験したい方や、地震に強い家づくりを行うイデアホームの家の強度を実際に体感したい方は、大規模地震と同等の揺れを再現する「地震体験システム」がある「耐震研究所」へぜひお越しください。

スタイル付き無料資料請求は
こちらから

イデアホームは地震に強いだけでなく、デザインにも自信を持っています。イデアホームの耐震性に興味のある方はもちろんのこと、デザインやスタイルについて気になる方も、まずは無料資料請求をどうぞ

詳しく見る