目に見えないところに注目!地震に強い家づくりの工法とは?

せっかく建てるなら地震に強い家が良いですよね。今回は目に見えにくい地震に強い家の構造や工法について解説します。地震に強い家について理解し、マイホームづくりの参考にしてください。

目に見えないところに注目!地震に強い家づくりの工法とは?

耐震のノウハウ

2023/06/28

地震に強い家を建てよう

マイホームは、ただ居心地の良い空間であるだけでなく、安心と安全を提供する場所でもあります。特に日本のような地震が頻発する国に住む場合、地震への備えは必須であるといえます。地震に強い家を実現するためにはどのような工法が必要なのでしょうか?今回は地震に強い家づくりを得意とする「イデアホーム」が、地震に強い家の工法と、工法以外の工夫について解説します。地震に強い家づくりの知識を身につけましょう。

イデアホームは、地元の埼玉、越谷、八潮、草加、東京の足立区、あきる野市など緑ある街を中心に、近い将来、高い確率で大地震が起こると言われる中、日本各地で壊れてしまう家を少しでも減らしたいという想いから、地震に強い家づくりを進めてきました。

地震に強い家とは

日本は地震大国であり、生活を守るための地震に強い家を建てる基準が設けられています。地震に強い家がどんな家なのかを調査すると、まずは耐震基準についての情報が見つかります。しかし、「イデアホーム」では、耐震等級だけで地震に強い家だと判断するのはおすすめしません。

建築基準法で定められている耐震基準とは?

家を建築する際に必ず守らなければならない建築基準法では、耐震基準が定められています。現在の建築基準法では、震度5程度の揺れではほとんど損傷がなく、震度6強~7の揺れの場合でも崩壊や倒壊しないレベルの耐震強度が求められています。新築の家を建築する場合、建築基準法は守らなくてはいけません。そのため、基本的な耐震基準は満たしていることとなります。しかし、これは一定の条件下で標準的な住宅であればそうなるだろうという仮定で、個別の住宅が震度6強~7の揺れで倒壊しないことを保証しているわけでも、証明しているわけでもありません。耐震等級の中でもっとも基準が高い耐震等級3でも、地震によって倒壊する危険性があることです。

▼耐震等級について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

本当に地震に強い家とは、耐震等級だけで判断はできない

1981年に制定された新耐震基準は「震度6強の地震1回に対して傾きはしても倒壊・崩壊しないこと」が基準となっています。しかし、最新の技術的見解によると、新耐震基準を満たしていても、住宅は震度6強の地震で大きな損傷を受ける可能性があります。また、最近の震度6強の地震は本震だけでなく、余震も含めて繰り返し発生することが多いです。さらに、震度7の地震も多く発生しています。これは、2000年に改定された新耐震2000年基準の時には想定されていなかった事象です。余震によっても建物に揺れが加わり、余震のたびに建物はダメージを受けます。それらが積み重なると最初は耐えられた本震でも後の余震で倒壊する可能性が出てきます。つまり、現在の新耐震基準を満たしていれば安全というわけではないです。本当に地震に強い家とは、耐震等級だけで判断はできません。一度の地震に耐えるだけでなく、地震が繰り返し発生することを前提に、「家族を安全に守る耐震性能」を確保している家といえます。

▼本当に地震に強い家を建てる工務店・ハウスメーカーの選び方については、以下の記事もご覧ください。

地震対策における耐震・免震・制震とは

地震に強い家を表す言葉に、耐震・免震・制震の3つの構造があります。まずは、この3つの言葉の意味と違いを表を使って説明します。地震に強い家づくりに欠かせない「耐震・免震・制震」の3つを理解して建てたい家にどんな構造を取り入れるか考えてみてはいかがでしょうか?

構造の名前    構造の特徴  構造の仕組みコスト
耐震揺れに耐える強固な柱や壁を使い、建物や基礎を頑丈な造りにする構造一般的に最も多く取り入れられており、費用も制震や免震からすると安価
免震揺れの力を建物に伝えにくくする建物と地面の間に免震装置を入れ建物と地面を切り離した状態にし、建物に直接揺れを伝えないようにする構造耐震・制振構造よりもコストは高価(200〜600万円程度)高層マンションなどでは一般的。大掛かりな工法になり、プランや設計・工事に制約が出るため戸建住宅では採用はあまりない。免震を採用する際は建物自体もある程度の耐震構造は必要。
制震建物に伝わる揺れの力を小さくする壁の中などに揺れの力を吸収する装置を入れ、地震の力を弱めることで結果的に耐震性を上げる構造制震構造は施工できる業者が限られており、費用も高価(50〜200万円)耐震と組み合わせて使われる

耐震構造・制震構造・免震構造、どの構造も建物の倒壊を防ぐことに関しては有効です。十分に検討した耐震構造であれば建物の倒壊は防げますが、繰り返しの地震による損傷はどうしても生じてしまうため、制震や免震を取り入れるとさらに良いでしょう。

▼耐震・免震・制震について、より詳しくはこちらの記事もご覧ください

地震に強い家の代表的な木造工法とは

地震に強い家を建てるためには、どのような工法があるのでしょうか?木造住宅において、代表的な工法を解説します。

木造ツーバイフォー(2x4)工法

木造ツーバイフォー(2x4)工法とは、2インチ×4インチの木材と合板を使って壁、床、天井を一体化させることで地震力を分散し、高い耐震性を確保している工法です。「枠組壁工法」とも呼ばれています。この工法は、大地震でも倒壊を避ける実績があります。組み立てが比較的容易で、木造住宅が多い日本の風土にも適合しますが、部材の規格化によりリフォームや間取りの自由度が低く、リノベーションには不適合であるといえます。

木造軸組工法

木造軸組工法は、柱と梁を組み合わせる工法です。現代でも最も採用されている工法で、木造軸組工法のメリットは、間取りの自由度が高く、リフォームや増築が比較的容易であることです。また木材の使用により住宅の建築費用を抑えられることや、自然の木のぬくもりを感じることができます。しかし、デメリットも存在します。柱や梁が地震の力を受けることから、木造軸組工法は木造ツーバイフォー(2x4)工法に比べて耐震性が劣る可能性があります。ただ現在では、外周部分にツーバイフォーと同等かそれ以上の面材を施工するケースが多く、この場合は適切なツーバイフォーの施工によりはるかに耐震性能を上げることが可能になりました。木造軸組工法の耐火性は他の工法とほぼ同等であり、適切な防火対策を施せば、木造住宅でも耐火建築物として建築可能です。

木造ラーメン工法

木造ラーメン工法は、鉄骨や鉄筋コンクリートの建築構造を木造で実現した工法です。柱と梁を強固に接合し、強靭な枠組みを作ります。広い空間や大きな開口部といったデザインの自由度は、従来は鉄骨造やRC造でのみ可能でしたが、これにより、木造でも確保することが可能となります。ただし、その強度を確保するためには基礎や部材自体の強度を高める必要があり、木材の使用量や特殊な金物がかなり増えます。これによりコストが増加したり、構造設計が難しくなるというデメリットもあります。

木造ツーバイフォー(2x4)工法、木造軸組工法、木造ラーメン工法、どの住宅工法もそれぞれにメリットとデメリットがあります。一概にどの工法が良いとはいえませんが、どの工法を選んだとしても、重要なのは設計・施工を行う工務店・ハウスメーカーです。建物の耐震性をどこまで上げるのかをしっかり検討をし、分からないところは、工務店・ハウスメーカーに相談をしてみましょう。

▼木造軸組工法や、ツーバイフォー(2x4)工法、木造と鉄骨造の違いについてはこちらの記事もご覧ください。

構造・工法以外の地震に強い家を建てるポイント

構造や工法以外に地震に強い家を建てるためのポイントを説明します。地震に強い家づくりを得意とするイデアホームは、構造や工法も大事ですが、同じくらい構造計算とシミュレーションが重要だと考えています。

構造計算によって異なる「耐震性能」を知る

耐震性能を確保するためには、精緻な構造計算が不可欠です。建築基準法施行例第46条では「木造2階建ての場合、構造計算が例外的に不要」とされています。そのため、構造計算よりも比較的簡易な品確法の壁量計算を適用しているハウスメーカーや工務店も多く存在します。これは時間とコストを節約し、誰でも簡単に計算できる利点があります。しかし、耐震性能の確保という観点からは、品確法の壁量計算だけでは不十分といえます。耐震等級3以上の家であっても、品確法の壁量計算で建てられた家と許容応力度計算や保有水平耐力計算をして建てられた家との間には大きな差が生じる可能性があります。

▼構造計算についてはこちらの記事もご覧ください。

地震が予測できる「シミュレーション」を行う

大きな倉庫の中に実物大の住宅を建て、実際の地震のように揺らして強度を検証することは、安全性と信頼性を確保する上で非常に有益です。ただし、大掛かりな検証をすべての住宅に対して行うことはできません。しかし「wallstat(ウォールスタット)」などの構造解析ソフトウェアを使用することで、検証はできます。過去の地震データを組み合わせて、将来発生する可能性のある地震において、家がどのように揺れるかや損傷を受けるかをシミュレーションできます。このシミュレーションは単なる予測ではなく、複雑で大規模な計算を行う構造解析に基づいており、高い信頼性を持っています。
地震に強い家づくりを目指す場合、工務店やハウスメーカーを選ぶ際には、構造計算の種類とシミュレーションソフトを使用しているか、チェックをすることをおすすめします。

「wallstat(ウォールスタット)」は、京都大学の中川博士が開発し、国土交通省国土技術政策総合研究所(NILIM)が管理する耐震シミュレーションソフトです。高い精度で予測や検証ができるため、実際に熊本地震で倒壊した家屋の原因究明にも使われました。

▼wallstat(ウォールスタット)についてはこちらのページもご覧ください。

地震に強い家を建てるなら、イデアホーム

今回は地震に強い家づくりに欠かせない「工法」について解説しました。住宅の構造や工法は、構造計算によって耐震性が異なることがあります。目には見えない部分だからこそ、信頼できる工務店・ハウスメーカーを選ぶことが何よりも重要です。そのためには、見学会やイベントへ参加し、工務店やハウスメーカーが実際にどのような家を建てているかを直接確認することをおすすめします。イベントでは、「地震対策」について確認し、今回重要だとお伝えした「構造計算の手法」や「シミュレーションをしているか」「耐震等級についての考え方」を直接確認しましょう。

イデアホームでは、地震に強い家づくりを実現するために構造計算やシミュレーションを取り入れた工法を提供しています。信頼性と安全性を追求し、お客様に安心できる住まいを提供することを目指しています。ぜひ、イデアホームのイベントに参加して、地震に強い家づくりの具体的な取り組みをご確認ください。これまでに起きた大規模地震と同等の揺れや、イデアホームの家の強度を体感していただける「耐震研究所」では、セミナーなども定期的に開催しています。ぜひ、お気軽にお越しください。

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イデアホームは地震に強いだけでなく、デザインにも自信を持っています。イデアホームの耐震性に興味のある方はもちろんのこと、デザインやスタイルについて気になる方も、まずは無料資料請求をどうぞ

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