地震に強い家の構造を学ぶ〜関東大震災から100年〜

関東大震災から100年が経過した今こそ、地震に強い家づくりの重要性を再認識する時です。今回は、地震に強い家の構造とはなにか、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった異なる建築構造の地震への強さについて解説します。

地震に強い家の構造を学ぶ〜関東大震災から100年〜

耐震のノウハウ

2023/09/06

地震に強い家の構造について学ぼう

今回は、地震に強い家づくりを得意とするイデアホームが地震に強い家の構造について説明します。地震に強い家について少しでも知識を増やすことで、安全かつ安心な家づくりの参考にしていただきたいです。

▼地震に強い家の構造や工法についてこちらの記事もご覧ください。

地震に強い家の構造はどれ?住宅の構造と地震への強さまとめ

建物は、構造によって耐震性に違いがあります。主な住宅構造は、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3つに分かれます。地震に強い家の構造はどれか、地震への強さについて説明します。

木造

木造は、主要構造部分に木材を利用した建築方法のことで、日本の一戸建て住宅で一番採用されています。木造は、木材の自然な柔軟性を活かし、地震の揺れを効果的に吸収する特性があります。地震のエネルギーは家の重量に比例して揺れが大きくなります。木材を使用して家全体の軽量化を図ることで地震への耐性を高めることが可能です。木材は火災や虫害に弱いというデメリットはありますが、適切な防虫処理と定期的なメンテナンスを行うことで、これらのリスクは軽減できます。木造住宅には「木造軸組工法(在来工法)」「ツーバイフォー工法(2×4工法)」「木造ラーメン工法」の3つの主要な工法があり、それぞれの工法を選択することで、耐震強度を更に向上させることが可能です。

▼木造の構造について詳しくはこちらの記事もご覧ください。

鉄骨造

鉄骨造は、軽量鉄骨や重量鉄骨を材料として用いた構造のことで、一般的な住宅やビルに採用されています。鉄骨造は、鉄や鋼の「ねばり」特性を利用して、地震の揺れに耐える能力を持っています。この特性により、地震の揺れを効果的に吸収し、建物の安定性を保つことが可能です。ただし、鉄骨の数が多くなるため、間取りのパターンが限られます。木造と比較して、デザインや間取りの自由度が低いというデメリットがあります。更に、鉄骨造は、家の重量が重く、建てる地盤によっては地盤改良費用がかかることもあります。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造は、柱などに鉄筋を埋め込んだ構造のことで、マンションに多く採用されています。鉄筋コンクリート造は、鉄筋やコンクリートだけでは弱い部分を、混ぜ合わせることで双方を補強しあっています。この特徴により、地震の揺れを分散させる効果があり、更に地震の揺れによって発生することがある火災にも強い耐震性と耐火性があります。ただし、木造、鉄骨と比較して重量が重く、壁の下に必ず壁が必要になるという制約があります。木造と比較すると間取りの自由度は低いです。また鉄骨造同様に家の重量が重く、建てる地盤によっては地盤改良費用がかかることもあります。

3つの構造について「耐震性」という観点から見ると、一般的には鉄筋コンクリート造、鉄骨造が耐震性が高く、木造はそれに続くと言われています。しかしここで確認しておいていただきたいのは、木造の耐震性は高くなっており、木造住宅の耐震性は鉄骨住宅とそれほど変わらない水準にまでなっています。木造戸建ての耐震性は、阪神淡路大震災後の2000年の建築基準法改正により、大幅に向上しました。構造により地震への耐性に違いはありますが、どの構造でも耐震性に不安を持つ必要はありません。

重要なことは地震に強い家の構造を選ぶのではなく、工務店・ハウスメーカーを選ぶこと

地震に強いと言われている鉄骨、鉄筋コンクリート造を選んだ場合でも、特定の設計や構造上の要因を採用していると、耐震強度を高めることは困難です。

適切な耐震対策が施されていない設計、構造計算、地盤調査を行っていると、地震の際に家が大きなダメージを受けるリスクがあります。もちろん構造ごとの耐震性の平均で比較をすると、多少の差はあります。重要なのは構造を選ぶことではなく、その構造の特徴を深く理解した工務店・ハウスメーカーを選ぶことです。

地震に強い家の構造、木造は地震に弱い?

木造住宅は鉄筋コンクリート造、鉄骨造に比べると地震に弱いというイメージがありますが、実際は決して弱くありません。日本各地に建てられた木造の神社・仏閣が数百年を経ても残存している事実がそのことを物語っています。世界では、鉄骨造・鉄筋コンクリート造で作られた大きなビルが簡単に地震で倒壊しています。木造だからといって弱いわけではありません。重要なのは構造ではなく、「構造計算」と「地盤の解析」を行っているかどうかと言えます。日本の超高層ビルは、高い耐震性があります。その理由は、建築基準法で超高層ビル用の構造計算(時刻歴応答解析)を行うように定められているからです。

耐震性に特化している工務店であるイデアホームでは、詳細な構造計算である「許容応力度計算」と、超高層ビルなどの建築の際に使用される「時刻歴応答解析」を行っています。
詳しくは「イデアホームの耐震性能の秘密」ページをご覧ください。

▼こちらの記事もご覧ください。

地震に強い家の構造について、耐震研究所で体感しよう!

イデアホームは2018年に草加店近くに「耐震研究所」を開設しました。この場所は、地震に強い住宅の研究拠点として機能し、多くの人々と情報を共有し、住宅の耐震化への理解を深めるための中心地となっています。耐震研究所では、日本で唯一、実際に発生した地震の震度を体感できる体験メニューが提供されています。

体験メニューでは、熊本地震の前震と本震の時にあった強い左右の揺れを実感できます。体験してもらうとわかりますが、振り落とされるような恐怖を覚えるのではないでしょうか。地盤が揺れやすい地域では、気象台などで観測された揺れより大きな揺れが発生する可能性があります。立っていることや机の下に隠れることが困難なほどの強い揺れを示しており、特に小さな子供や高齢者が壁にぶつかる、避難できない、家具の倒壊などの危険があることを意味しています。

耐震研究所では体験メニューのほかに、地震に強い家の構造やこのような建物が危ないといった内容や、地震のメカニズムについて説明するパネルが設置されています。イデアホームの家がどうして地震に強いのか、実際に使われる柱や梁などの構造体の展示やシミュレーション(wallstat)の映像などを見ることができます。専門家による地震対策セミナーも随時行われています。地震に強い家に興味のある方はぜひ一度お越しください。

シミュレーション(wallstat)は、パソコンの中で地震を発生させ、建物がどのような損傷を受けるかを数値や動画で示した耐震シミュレーションソフトです。

地震に強い家は必要? 関東大地震から100年、耐震について考えよう

今年は1923年に発生した関東大震災から100年目を迎えます。この災害は、近代日本の首都地域に甚大な被害をもたらした記憶に残る大災害です。実は、9月1日が「防災の日」として認識される背景には、この関東大地震があります。日本は地震大国として知られ、首都直下地震や南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺の海溝型地震など、マグニチュード8~9クラスの地震が今後30年以内に70~80%の確率で発生すると言われています。いつ大地震が起きても不思議ではありません。このような状況を踏まえ、地震に強い家の必要性について今一度考えてみませんか?

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