東京で家を建てるなら必ず知りたい地盤の強いエリアと弱いエリア|地震に強い家の基礎知識

東京23区の地盤は、台地・低地・谷底低地など地形によって大きく性質が異なります。この記事では、東京23区の中で “地盤が強い地域・揺れやすい地域” を整理し、地震に強い家を建てるための土地選びのポイントをわかりやすく解説します。

東京で家を建てるなら必ず知りたい地盤の強いエリアと弱いエリア|地震に強い家の基礎知識

耐震のノウハウ

2023/06/21

東京で家を建てる前に、まず知っておきたい「地盤の重要性」

東京で家づくりを考えるときは、「立地」「広さ」「アクセス」など、目に見える条件に注目しがちです。しかし、実際に安全で長く住める家を建てるために最も重要なのは、土地を支える地盤の強さです。

地盤とは、地表から約100メートルまでの土の層を指します。もし地盤が弱い土地を選んでしまうと、次のようなリスクが発生します。

  • 基礎のひび割れ
  • 建物の傾き
  • 地震時の揺れの増幅
  • 液状化による沈下

東京は地域によって地盤の強さが大きく異なり、「揺れにくいエリア」と「揺れが大きくなりやすいエリア」がはっきり分かれています。この記事では、地震に強い家づくりを得意とするイデアホームが、東京の地盤の特徴と、安全な土地選びのポイントをわかりやすく解説します。

イデアホームへご相談ください

イデアホームでは微動探査による地盤の揺れ方の測定と、時刻歴応答解析・許容応力度計算・wallstat検証を組み合わせて、土地の揺れ方に最適化した耐震設計を行っています。土地選びや地盤の不安がある方も、専門的な視点でサポートできます。

▼こちらの記事もご覧ください。

東京23区の地盤は「台地」「低地」「谷底低地」の3タイプで構造が大きく変わる

東京23区の地盤は、地形と地層の違いによって次の3つのタイプに分類できます。

  • 山手エリア(台地)…揺れにくい・液状化しにくい
  • 下町エリア(低地)…揺れやすい・液状化リスクが高い
  • 谷底低地(局所)…特に揺れやすい柔らかい地盤

地盤の強弱を分ける最大の要素は、エリアごとに異なる「地層の種類」です。以下では、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。

※国土地理院デジタル標高地形図(https://www.gsi.go.jp/kankyochiri/degitalelevationmap_kanto.html)に実形山手線路線図(https://rp-tj.blogspot.com/2020/02/yamanoteline-map.html)を重ねて株式会社益田建設が作成

東京の地盤3タイプ比較表

地域分類地層揺れやすさ液状化リスク主なエリア
① 山手エリア(台地)関東ローム層小さい低い文京区・新宿区・目黒区 など
② 下町エリア(低地)沖積層大きい高い台東区・墨田区・江東区・葛飾区
③ 谷底低地(局所)非常に柔らかい地層さらに大きい中〜高渋谷・目黒・北区などに点在

山手エリアは「関東ローム層」の上にある揺れにくい地域

山手エリアの多くは、火山灰が長い年月をかけて固まってできた関東ローム層の上にあります。この地層は密度が高く水を含みにくいため、地震の揺れが増幅されにくい特徴があります。

関東ローム層とは?

富士山・箱根・八ヶ岳などの火山が約1万年以上前に噴火した際、火山灰が長期間にわたり積もって形成された強い地層。密度が高く、水を含みにくいため、地震の揺れが増幅されにくい特徴がある

下町エリアは「沖積層」でできた柔らかい揺れやすい地域

一方、下町エリアの多くは 沖積層 の上にあります。これは、かつて荒川・江戸川の下流域まで海水が入り込み、泥や砂が厚く堆積していた歴史があるためです。

沖積層とは?

数千年前、東京一帯が海や川だった時代に、海底や河川に泥・砂が堆積してできた柔らかい地層。
水を多く含み、地震の揺れが増幅されやすく、液状化が発生しやすい。

山手にも下町にも存在する「谷底低地」は特に揺れやすい

東京には、山手エリア・下町エリアのどちらにも谷底低地(こくていていち)が点在しています。谷底低地は、湿地や川の跡を埋め立てた土地で、柔らかい土が厚く堆積しているため、揺れが非常に大きくなりやすい地盤です。

谷底低地とは?

川の跡や湿地を埋め立てた柔らかい地形。
枯れた植物・泥などが堆積した“ふかふかした地盤”で、揺れが増幅されやすい。

東京の地盤が強いエリア

東京23区内には、揺れにくい台地が広がる地域があり、武蔵野台地を中心に地盤の強いエリアがまとまっています。まずは全体像を地図で確認しましょう。

出典:「東京都都市整備局|地震に関する地域危険度測定調査(第9回)」
https://www.funenka.metro.tokyo.lg.jp/area-hazard-level/regional-risk-level/

① 標高が高く地盤が安定した「山手エリア」

山手エリアには、千代田区南西部、港区西部、新宿区東部、文京区など旧15区の西側地域が含まれます。これらの地域は武蔵野台地に位置し、関東ローム層に支えられているため、

  • 揺れにくい
  • 液状化の可能性が低い
  • 火災リスクが比較的低い
  • 津波の影響を受けにくい

といった特徴があります。

② 武蔵野台地(中央〜西部に広がる強固な地盤)

東京都区部の西側から多摩地域まで広がる武蔵野台地は、関東大震災でも被害が少なかった地域として知られています。とくに新宿周辺の「淀橋台」「豊島台」、そして大田区北西部(田園調布周辺)は強固な地盤です。

注意

山手エリアも武蔵野台地も全体としては強い地盤ですが、昔の川の跡にあたる“谷底低地”が一部にあるため、場所ごとに揺れやすさが異なります。エリア全体が安全とは限りません

東京の地盤が弱いエリア

① 下町エリア(沖積低地)

台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区などは海や川に近い沖積低地に該当し、

  • 揺れが大きくなる
  • 液状化が起こりやすい
  • 木造密集地域が多く火災危険度が高い
  • 洪水、浸水リスクがある

など複合的に災害リスクが重なります。

複数の災害リスクが重なる傾向がありますが、これは「住めない」という意味ではありません。地盤改良や、揺れやすい土地に合わせた耐震設計を行えば安全性を高めることは可能です。

② 東京湾岸地域・品川区・板橋区は液状化リスクが高い

これらの地域は埋立地や水辺の近くが多く、地震時に地盤が水分を含んだ状態で液状化しやすいため、次のような対策が必要です。

  • 排水ポンプの設置
  • 地盤改良
  • 災害時避難計画の整備

地盤が弱い土地でも「地震に強い家」は建てられるのか?

結論として、可能です。地盤自体を強くすることが難しい土地でも、イデアホームでは「微動探査×構造計算(許容応力度計算、時刻歴応答解析)×wallstat検証」を組み合わせることで、その土地の揺れ方に合わせた最適な住宅設計を行うことができます。

微動探査とは

・土地ごとの揺れ方をピンポイントで測定
・非破壊で地盤構造を解析
・将来発生する地震の揺れを予測できる

▼地盤調査・地盤改良についてはこちらの記事をご覧ください。

東京エリアの地盤調査の方法

家を建てる前に 、その土地がどれくらい地震や液状化に弱いのかを知ることは重要です。東京では自治体が公開している公的データを確認することで、候補地の災害リスクを事前に把握できます。ここでは地盤リスク調査に必ずチェックしたい3つの情報源を紹介します。

① 東京都の「首都直下地震等による被害想定(令和4年公表)」

東京都は東日本大震災を踏まえて首都直下地震の被害を再評価し、令和4年に最新の被害想定を発表しています。資料では区市町村ごとに、

  • 想定される揺れの大きさ
  • 建物の倒壊予測
  • 火災発生、延焼の危険度
  • 液状化や地盤変状のリスク

を確認できます。候補地がどれほどの揺れや被害を受けやすいかを把握するのに有効です。

首都直下地震等による東京の被害想定(令和4年5月25日公表)

② 地震に関する地域危険度測定調査(第9回)

東京都は「東京都震災対策条例」に基づき、地域危険度を公表しています。危険度は次の3つの指標から算出されます。

  • 建物倒壊危険度
  • 火災危険度
  • 総合危険度

総合危険度が高い地域は、揺れの増幅、倒壊、火災が同時に発生しやすい地域で、リスクの見極めに役立ちます。

地震に関する地域危険度測定調査(第9回)

③ 東京の「液状化予測図」

東京都建設局が公開している液状化予測図では、地域ごとの液状化リスクを確認できます。ただし、特定の地震規模を想定したものではないため、「必ず液状化する」「しない」を判断するものではありません。

それでも、

  • 土地の成り立ち(埋立地、旧河川、湿地など)
  • 液状化しやすい地形の傾向
  • 周辺エリアとの相対的な比較

などに役立ちます。

東京の液状化予測図

東京の地盤が気になる方・安全な家づくりをしたい方はイデアホームへ

地盤の強さ・弱さは、家の耐震性や耐久性に深く関わります。たとえ地盤が弱い土地であっても、地盤改良工事や、土地の揺れ方に合わせた耐震設計を行うことで、安全性を高めることができます。

土地選びに迷っている方には、見学会やイベントで工務店の設計思想や施工品質を直接確認することをおすすめします。「検討している土地がどれくらい揺れやすいのか」「どんな地盤調査を行うのか」も質問してみましょう。

イデアホームでは、微動探査から構造計算までを一貫して行うことで、土地に最適化した家づくりをご提案しています。地震に強い家を建てたい方は、気軽にご相談ください。

▼wallstatについてはこちらのページもご覧ください。

地震に強い家を建てたい方、検討中の土地が安全か気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。大規模地震と同等の揺れを体験できる「耐震研究所」では、イデアホームの家がどれほど揺れに強いのかを実際に体感していただけます。

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